2008年6月26日木曜日

2008年6月のエロラノベレビュー

美少女文庫

「武士妹!」
小説:森野一角/挿絵:龍牙翔 オススメ度:★★☆

 6年間別居していた両親の離婚で、借金まみれで逃げ回っている父親から6年間生き別れになっていた妹、聡美が現れた。しかし追われる父親と一緒に生活していたことと、別れる前に兄に助けられたことを覚えていた聡美は勝手に兄を最強を思い込み剣術(竹刀と木刀だけど)を磨いた武士妹になっていた。
 聡美は設定的にサムライガールの刹那や乙女新撰組の心梨の雰囲気があるものの、兄と妹という関係が存在するのが相違点。やはり根本にあるのは「お兄ちゃんのそばにいたい」という気持ちで、一度はその願いはかなえるもののやはり「兄と妹」と割り切ろうとする。しかし父親を追う借金取りの母親から父親の借金を取り立てに来た娘、チカが現れて……という流れは兄妹ネタではよくある話。
 話の仕上げ方は大味だけど特にハズしたと思うところもなく、聡美、チカともにやや聡美よりのエロ配分。龍牙翔の挿絵が申し分なく単体でも十分過ぎるくらい(逆にこのせいで文章が物足りない、という意見もあるかも)
「好き好き大好きお姉ちゃん」
小説:青橋由高/挿絵:七瀬葵 オススメ度:★★☆
 7歳年下の弟、晄(ひかる・愛称るーくん)に激ラブな23歳の姉、斗和子は夢であった喫茶店を開店することができた。夢の一つはこの店を営業すること、そしてもう一つ(いやむしろこっちが本命なのだw)は学校も近いこの店に晄を呼んで同棲生活をすることだったのだ。
 毎朝起きたら眠っている晄に「ボク、お姉ちゃん大好き」をささやき続けたり、自分の体以外で欲情するのは許さないと「オカズ」と称して自分の下着やエロ写真を渡したり、店の名前がすでにフランス語で「弟」で、自分の店の客なのに女性と晄が話していると異常に嫉妬したりと、もうほとんど病気に近い溺愛ぶり。ゆえに2人暮らしになった以上我慢できるわけがなく、早々にアタックを開始することになるわけで。
 そんなトンデモな姉ですが唯一恐れているのが「学校」
 文化祭で喫茶店をやるという晄のクラスに訪れた斗和子は女子高校生の「若さ」に大きなショックを受けて、大好きな「るーくん」が若い娘に取られてしまう&そんな若い娘に人気がある「るーくん」が許せないということから、ある「意地悪」を実行。
 ……それが表紙になりましたw
 挿絵は知る人ぞ知る七瀬葵。最後に見てから随分時間が過ぎてしまった気がするんですが、その絵だけは十分高いレベル(エロ含む) ただ、このイラストで見る斗和子はどう見ても晄と同年代で、23歳どころか姉としても怪しい印象になってます。

「My姫」
小説:わかつきひかる/挿絵:みやま零 オススメ度:★★★

 わかつきひかるの中でも鉄板で名高いみやま零とのコンビで出る「My」シリーズの第4弾。今回は中東の王様を助けた縁で日本人との間に生まれた第13王女、シターン姫と結婚することになった主人公、有人。日本は彼女の国からレアメタルを輸入していることから国を挙げての結婚騒ぎになり、内閣調査室からSPが派遣されてくる事態に。
 そこに現れたのが、有人に王国の教育をするという彼の学校に留学してきた先輩の日系人カリン──実は相手を見てから結婚を決めたいというシターン姫その人──だった。
 「My」シリーズ、というかわかつきひかる全般で言えることだけど、教育初日で性の手ほどき(もちろんカリンは処女)が終了。カリンが「ハーレム育ち」と言ったことで、有人とカリンの間に認識のズレが生じたまま、それ以後は怒涛の行為と羞恥プレイがカリンを有人の色に染めていく展開なのはお約束。
 もう一つのお約束「子宮描写」もふんだんに織り込まれたうえ、今回は一歩進んだ結末が用意されていてわかつきひかる買いなら文句なし(ただいつか変化が欲しい)の仕上がりに。
 美少女文庫に初めて触れる方にはわかつきひかるがオススメ、なのが持論ですが今回ももちろんオススメできる1冊です。

二次元ドリーム文庫

「ハーレムキャッスル2」
小説:竹井けん/挿絵:Naviki N オススメ度:★☆☆
 「ハーレム」シリーズ第9弾は第1作「ハーレムキャッスル」の続編。前回騎士見習いから王族の血を引くことが発覚、王太子としての地位を確固たるものとしたフィリックスが自らの将とした女騎士ウルスラと義理の母で現女王のグロリアーナに加えて今回新たにメイドで幼馴染のマガリ、そして軍事を司るウルスラに対して謀略を司る智将シャクティを自らの傘下に加えることがメインの物語。
 シャクティ招聘の話に関してはいわゆる「三顧の礼」がベースとなっているらしく、3回目でシャクティとの行為に入って文字通り「身も心も」フィリックスのものになる展開。
 もう一つの注目は王太子になったことで周辺諸国の姫君がフィリックスを狙って争奪戦を繰り広げる点。まさにハーレムが展開されるわけですが、その裏には政治的な駆け引きや貸し借りの問題があってなかなか手放しで楽しめるものではない模様。ただ文庫ゆえページ数には限りがあるわけで、書き分けにも分量にもかなりしわ寄せが来てしまうわけなんですが……
 あと毎度のことながらいい絵師に恵まれていない気がするんだよね……。
 ちなみに前回の反乱で王国を追われた王子ヒルクルスの件は「ハーレムシスター」参照のこと。その他いろいろ繋がりはあるわけで、最終的にシリーズモノとしてどう決着をつけるのかも気になるところです。個人的には「ハーレムパイレーツ」ルートが好き。

「巫女ねこ日和」
小説:筆祭競介/挿絵:ひなたもも オススメ度:★☆☆

 幼馴染の緋奈子の氷雨崎神社に祀られたお稲荷様、チトセに取り付かれてしまった主人公、諒太は退魔を生業とする狩魔士として藤宮神社の静瑠、このみ親娘と居候として暮らしていた。ある日、女性狩魔士である「巫女」になった緋奈子と「巫女」志望のこのみと一緒にはチトセが見つけた黒猫の姿の妖魔カレイラと戦っていた諒太だが、カレイラに藤宮神社に逃げ込まれ自爆、静瑠も含めた3人は頭にネコミミが生えた状態になってしまった。それぞれが子宮をカレイラにとりつかれてしまったというチトセは浄化のために諒太に3人の子宮に精をぶっかける……要は突っ込んで膣出ししろということに……。
 いかにもエロラノベ、いかにも二次元文庫な取っ掛かりで始まる巫女ネタエロコメ。順番に3人を浄化したあとハプニング回避のためにチトセも参戦。その力を使ってヒロイン3人と性感をリンクさせて4倍感じるというこれまたいかにもな5Pを展開する流れ。
 気を込めた杖が武器の主人公が自分の「杖」に気を込めて子宮を攻めるというのもお約束w ベタはベタでいいんだけどやっぱり挿絵がなぁ……
 あとツンデレ巫女緋奈子はいいキャラだけど、アナル舐めた舌で無頓着に主人公とディープキスすんな。
 ※ 似たようなシチュエーションに「どきどきクラブボックス」があったけど、アレは嫌悪感出す描写なので許す。むしろアリ。

一迅社文庫(一般)

「ぶよぶよカルテット」
小説:みかづき紅月/挿絵:refeia オススメ度:★☆☆

 山高帽をかぶった変わり者の音楽少女、音城トリル。一つ下の学年の地梨琢己がそんな彼女にクロワッサンを恵んでしまったことから始まる音楽学園ストーリー。
 アンデスという楽器を渡され、「ぶよぶよ」の語源ともなる「犬のためのぶよぶよとした前奏曲」を作ったエリック・サティを信奉するトリルの破天荒な行動と音楽に振り回されながら、彼女の音楽に真っ向から対立する琢己の幼馴染の同級生でプロの作曲家である七瀬凛音、トリルとトリルの才能を溺愛する画家志望の親友、光真里亜も加わって文化祭で一つの作品を完成させる物語。
 みかづきっぽくないなぁというのが第一印象。これはジャンルが違うので仕方がない。明るく見えて実は空気が読めてるトリルのキャラ立ても「音楽は自ら楽しむもの」vs「音楽は大衆を楽しませるためのもの」という対立構図も構造としてしっかりしてるし、難しい音楽の話もサティがあまりにも規格外すぎる具体例が多い人なのできちんと読めばきちんと頭に入る(曲だけは聞いてみないとわからないが)
 問題はやっぱりラブな部分が少なかったってことなのかなぁ。一応ちょっとドキドキするとことか最後はちゃんとフラグが立つとことかあるんだけど……。

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