2010年10月24日日曜日

第604回東京都青少年健全育成審議会議事録を読む

 第604回東京都青少年健全育成審議会議事録
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/09_singi/604/604gijiroku.pdf
 さて、毎年忘れてしまうんですが、9月ということで青少年健全育成委員会の任期がいったん終了。
 そんな今回の議論のテーマは半年遅れで回ってきた「ボーイズラブ」について。
半年遅れの「ボーイズラブ」
○■■委員
 2番、3番、4番は、今までと同じで本当にセックス描写が多くて指定やむなしですけれども、1番のここに書いてある男と男のラブストーリーといいますか、そういう意味で、絵だけ見たら男女の卑わいさというのは私としては余り感じないのですけれども、青少年に与える影響としては、男女より男と男のラブストーリーのほうが法律的にはよくないのかなと。それを奨励するというのはいけないんですかね。日本の法律としてはどうなんだろうと今考えてしまったんですけれども。
○会長
 法的にですか。
○■■委員
 この絵と漫画の内容を見たら、1番はこれと同じように保留でいいかなと私はちょっと思いました。
○会長
 では、1番は保留というご意見で。■■委員、お願いいたします。
■■委員
 ■■さんが言ってくださったので。私も、ボーイズラブの分野をどう扱うのかというところは、ちょっと丁寧な議論をしなければいけないのかなという気がするので、同じく1番は保留で、2、3、4を指定ということでお願いします。
 立て続けに出たBL保留発言なんですが、異性だろうが同性だろうが猥褻なものは猥褻と言う観点では「青少年に与える影響としては、男女より男と男のラブストーリーのほうが法律的にはよくないのかな」なんて疑問はナンセンスであって「どっちもよくありません」よ。
 そんな感じで始まった諮問ですが……
我妻委員
 ボーイズラブということはあったのですが、いずれにしても、セックスについて青少年を刺激するという点は同様だろうと私は思いましたので、4誌指定でお願いします。
■■委員
 1番が保留、2、3、4指定でお願いします。
■■委員
 ボーイズラブというジャンルがありまして、これの過激なものが大人誌にもあるとは思います。3人保留が出ましたけれども、これを買っているのは中学、高校の女の子。男の子が買っているんじゃないんですよね。女の子なんです。読者も圧倒的に女の子というので、女はますますわからないというんですけれども、女性なんだそうです。それで、ぜひそれは議論を深めてもらいたいと思いますけれども、私は4誌指定でいいと思います。
 基本的に大半の人は「異性だろうが同性だろうが一般売り場に出して売るものじゃない」と言う認識基準はきちんとお持ちのようで。
会長代理
 以前、DVDで男性同性愛のDVDがあったときに、指定したのですが、男性同性愛だから指定したのではないということは確認してくださいという発言をしたことがあったんですけれども、逆の意味で、ボーイズラブだから指定しないというのは、むしろ同じ意味でちょっと。同性愛を扱っているから指定する、指定しないというのを考慮に入れるのはいろいろと問題が生じると思いますので、ここは区分陳列すべき内容かどうかというもので考えれば、4誌とも指定ということで結構です。
○会長
 ありがとうございました。大方の皆様が全誌指定ということですけれども、いわゆるボーイズラブ、1番目ですが、これについて議論をすべきというご意見もありましたけれども、その他何かご意見等ございましたらお伺いいたします。
○■■委員
 何人かの方がおっしゃいましたけれども、男女の性交であると不健全で、男性同士だと不健全でない、こういう尺度はあり得ないと思いますので、性交の様子を描写し、あるいは性器を非常に明確に描き、その行為をリアルに描写しているということにおいて、これは全誌指定しなければ一貫性が保てないと思います。
 つーことで珍しく保留が複数出たものの、4誌とも指定と相成りました。
 まぁそういう意味では安心なのですが、これ今期最後の審議会なんだよね……
 あと結局事務局が「これは不健全で一般売り場に出すべきではない」という意見として審議会に上げているものなので「一般売り場に出すべきではないかどうか」を問うだけになった場合、当然のことながら指定率100%は確実なわけで、それって審議会どうなのよ?ってことにもなるんですけどね。

おまけ……終了間際にこんな発言が
○■■委員
 すみません、今日の諮問事項について若干補足的に。さっき言い足りなかったことがあるので。私、保留したのですけれども、それはボーイズラブものだからとか、そうじゃないとか、そういうことではなくて、性描写の頻度とか、そういうところでそれほどでもないのかなというところが主な判断理由です。たしか前回か前々回、やはり同じボーイズラブものでDVDと本があって、DVDのほうだけ諮問して、本のほうは諮問していないケースがあったと思うのですが、その本に比べても、今日の本の内容がいやらしいとは思わなかったというところが主な理由です。ただし、保留でして、明確な反対ということではないので、その点は一応申し添えておきたいと思います。
 ……言い訳乙。
おまけ②……推奨映画になれなかったアニメ
○青少年課長
 実際に、今年につきましては、申請本数が昨年に比べましても減っております。申請の事前相談がございます段階で観まして、こちらに諮問するかどうかを決めております。ほとんどのものは諮問しておりますが、直近ですと、何ヶ月か前に、子供向けのアニメ映画で、ストーリー自体は特段悪いところはございませんでしたが、構成が3連作の2本目だったんです。1本目につきましてはここで何年か前に優良映画推奨していたものですが、2本目は、ストーリーが2本目と3本目を完全に一体として扱ったものでして、要は、2本目が非常に尻切れ、To Be Continued というような形のストーリーでしたので、それを単体で推薦するのはちょっと難しいのではないかと事務局で判断いたしまして、申請者にもご納得いただいたということがございます。ただ、いずれにせよ、申請に基づくという現在のシステムの中で、申請をしていただいた映画が今年度は少なかったということは事実でございます。
 なにこれ?

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