2010年12月30日木曜日

2010年 エロラノベオブザイヤー

えふすくの隠れた(?)得意分野のひとつ、毎月美少女文庫と二次元ドリーム文庫は新刊全部購入して読んでるノベライズではないエロラノベの総決算を今年ようやくお届けできました(来年できる保障ゼロだけど)
美少女文庫/美少女文庫えすかれ
 今年は作品としては「男の娘(女装男子)」、属性としては「孕ませ(妊婦)」が目立ってました。
My姫 プリンセスの休日
小説:わかつきひかる 他の作品
挿絵:みやま零
あらすじ:
蒼い瞳に、輝く金髪。正真正銘、シャルロットは本物のお姫様なんだから! 私と初体験できること、感謝なさい。
17歳のわがままボディへラブSM 高貴な姫が裸エプロンでご奉仕挑戦
恋人気分でイチャイチャ過ごす四日間。 お別れは、ドレスHで楽しみましょ
え、本気で私を嫁にしたいですって!
コメント:
美少女文庫といえばわかつきひかる。最近は一般レーベルにも進出しているものの、美少女文庫でも年4作とそのペースは鈍っていない。そんな定番作家の中でも今年は11月に出たこの作品を、この企画初にして、今年の最高傑作としてオススメ。
場所は幕張。自宅の前に倒れていたお姫様ドレスの女の子は、来日中の北欧の小国ヴェレンシアの王女、シャルロットだった……という、ベタな出会いからベタなアクシデントからベタな初体験、ベタな恋模様、そして行為と「美少女文庫とはこういうもの」というエッセンスが濃く詰まった一冊。
個人的に印象深かったのは、当然のことながら日本の高校生と一国の姫君という関係に対する処理の仕方。最終的に2人は日本で一緒に大学に通うことになるが、そのために下したこれまたベタな決断がえふすく的にたまらなかった(そしてもともと姫モノは好きだ)のでそれだけで選んだ。後悔はしていない。

残念お嬢様には俺しかいない
小説:遠野渚 他の作品
挿絵:みさくらなんこつ
あらすじ:
「アナタしか友達がいないの!」幼なじみの有栖は、Fカップの銀髪お嬢様。
だけど、エロゲマニアな残念美少女! 外出したら、たちまち失禁!!
そんな 彼女を更生させるため、オムツデート でラブラブ調教
初体験からアナル へGO
赤ちゃんプレイでバ~ブバブ
非リア充ラブコメ、謎の感動!
コメント:
昨年、美少女文庫えすかれシリーズに「ウチの妹がここまでMなわけがない」というあからさまなタイトルで登場して、その中身はといえばかわいい妹が放尿や脱糞やオムツで登校して授業中に……と徹底した汚辱系という鮮烈デビューを果たした遠野渚。今年もその調子で3作リリース。これはその3冊目で12月の最新刊。
ヒロインは銀髪ハーフのお嬢様、有栖・ノーレッジ。彼女はとあるきっかけで中2から高2まで学校にほとんど行かずにエロゲー三昧の日々を送る立派な「引きこもり」
彼女を「引きこもり」にしたきっかけを知る主人公は彼女を更正させようとするも、3年の引きこもり生活は彼女の身体をも外の生活に適応できないものにしてしまっていた。そんな有栖と主人公の奮闘(?)を遠野渚らしい文章とみさくらなんこつの挿絵をふんだんに生かしてまっすぐに描写。その結果、見事に更正して一緒に学校に行く光景には確かに「謎の感動」があって、前述にある属性の好き嫌いを除けば今年一読の価値のある一冊と言える。

お姉ちゃんは3歳児!?
小説:巽飛呂彦 他の作品
挿絵:ごまさとし
あらすじ:
「摩里沙、ひとりじゃ寝れないもん」な~んて、涙目で言われたら!!!!
身体はオトナ、心は3歳。生徒会長も務めるマリ姉が、甘えまくりでイキまくり!?
無垢な唇でフェラ奉仕
大切な処女も奪っちゃう
Hカップを揺らして絶頂する僕の摩里沙。
17歳に戻したいけど、もう少しこのままで!?
コメント:
黒本(フランス書院文庫)でも多くの作品を排出する巽飛呂彦は美少女文庫でも多くの良作を生み出している。今年は3作。そのうち真ん中6月の発売作。
特徴としてはいわゆる設定勝負で、今作の場合は「17歳の姉が転んで頭を売ったら14歳の主人公の弟よりはるかに年下の3歳にまで退行してしまった」というシチュエーション。これが最初に繰り広げるトラブルがリアルっぽくて掴みとしてとても機能している。
後半はそんな姉と関係を持ってしまう流れだが、3歳相手とはいえ身体だけは発育のいい17歳なので、子供を騙してやっちゃった感じになっているのがちょっとアレ。ただ、それほど苦痛を伴っているわけでもないし、姉弟という関係も姉の3歳時に弟はいなかったので彼女自身は「ひとりっこ」だと思っているからクリア(?)できていたりと結構細かいところにも目を配ってあるのか結果的にそうなっているのかはやはり執筆経験がものを言うということなんだろうか。
もうひとつ、挿絵についても言及しておきたい。中身が3歳の17歳姉という難しいキャラを美少女文庫では主にロリキャラ担当のごまさとしを起用することで、イメージに合致したキャラをうまく描けていると思う。

トリプル押しかけメイド妻
小説:青橋由高 他の作品
挿絵:有末つかさ
あらすじ:
「使えない無能残念ご主人様ですね。 可愛いメイド妻が待ってるんですよ」
航の目の前に並んだ、3つのヒップ
毒舌悪知恵メイド・ゆららも、武闘派 マゾメイド・香津美も、純愛幼なじみ メイド・瞳子も──ご主人様の挿入を 心待ち
特殊能力〈言霊〉でメロメロにして、三つ巴のラブハーレムへ
コメント:
青橋由高はえふすく的には「浮き沈みが激しい。だいたいにおいて沈んでる」印象の作家。今年も今回の作業中一番下に評価したのもこの人の作品だが、たまに外せないのは憎めないヒロインが出てくる場合。
この作品の場合は、毒舌悪知恵メイド・ゆらら。前作「トリプル押しかけ許嫁」でも登場した毒舌貧乳ロリヒロイン、くららの従妹でやはり毒舌吐きで貧乳というえふすく的にはヒットキャラ(美少女文庫に限らず二次元ドリーム文庫を含めても貧乳ヒロインは少ない)
常人には思いつかないような罵詈雑言を吐きながら、それでも身体は抵抗ぜす、行為に入ってしまうとその罵詈雑言すらも蕩けてしまう彼女を今年のベストヒロインに推したい。
そのわりには3人のヒロイン中ではそんなに出番多いほうではなく、作者の中でも一番人気ではないらしいのがとても残念。やっぱり「だいたいにおいて(略

美少女文庫/美少女文庫えすかれで惜しかったもの
このたび妹と結婚しました。 (美少女文庫)
 「もしも妹と結婚できる法律ができたとしたら……」というifから始まる実兄妹エロコメディ。
 兄妹モノも現実に結婚となると夫婦と変わらない悩みや事情があるもので……

お嬢様(わたし)のメイドは男の娘! (美少女文庫)
 幼いころからずっと仕えていたメイドが男の娘だったことを知ったBカップお嬢様が「主人公」という異色の作品。
 男の子として生まれた時点から女の子として年頃まで育てられたメイドの女の子っぷりと挿絵の貧乳具合が○

放課後子づくりクラブ (美少女文庫えすかれ)
 3人のヒロインとの子作りから妊娠後の妊婦プレイが5ヶ月、8ヶ月、臨月と3段階あるというもはやビョーキに近いボテ属性モノ。

は~れ部創立! 新入部員(嫁)募集 (美少女文庫)
 今年の美少女文庫最多の6人ヒロイン体制の大作。新人賞受賞作。
 ヒロインそれぞれの属性と、その攻略順を緻密に計算して作られた構成が見事。
 ただ見事すぎてそれ以外の評価ができなかった(6人も1冊に詰めたら薄くなるよ普通)のが残念。

二次元ドリーム文庫
 こちらは特に属性的な注目点はないものの、4人を軸としてハーレム重視だった流れから2人モノやピンヒロイン作品が増え始めた印象。
エロデレ 誘惑お嬢さまが恥じらう時
小説:筆祭競介 他の作品
挿絵:浅沼克明
あらすじ:
「私がHなことするのは―キ・ミ・だ・け」憧れのお嬢さま生徒会長・七海旗あかりに婚約を迫られた悠木拓弥。彼を篭絡するため、あかりは積極的に誘惑してくる。ところが誘惑しているうちに、拓弥に本気で惚れてしまった彼女はデレ始め…。
コメント:
昨年まではいわゆる定番の「ヒロイン4人もの」を書いていたものの、今年に入って「ツンボテ お嬢さま子作り計画」 あたりから1人ヒロインで普通のラノベっぽい学園エロコメを書き始めてそれが結構面白い。ヒロインの魅力が作品全体の面白さもだいたい決めてしまうエロラノベにおいて1人ヒロインとなればそれなりに難しくなると思うが、この1冊はそんな心配を跳ね返した良作。
当初は故あってただ拓弥をモノにするためにエロ攻勢を仕掛けるものの、ある瞬間から拓弥に対する「気持ち」の方が芽生えてくるというあかりの行為と心理のバランスの微妙なズレの表現が冴える構成と学園生活の無駄のない描写で、この1冊が「Hのある学園ラブコメ」として完成している。

ハーレムマイスター
小説:竹内けん 他の作品
挿絵:高浜太郎
あらすじ:
美少女剣士ユージェニーの依頼で、最高の刀作りを目指すことになった鍛冶屋見習いの少年ジェルクリーナス。
彼は憧れの師匠ペンテシレイアや女商人バミリタの助力を得て製作に励む。その日々の中で、バミリタには誘惑され、ユージェニーとも熱いスキンシップを交わしていくジェルクリーナス。その様子に、普段は泰然としたペンテシレイアも女の一面を覗かせてきて――!?
コメント:
エロラノベで続くシリーズ物の中でもついに公式ガイドブックが出てしまった長編シリーズ「ハーレムシリーズ」は今年も復刊を含めて7冊という多作。その中でも今年はやや戦記モノとは一線を画した「ハーレムマイスター」推し。
戦乱のファンタジー世界にあって必ず必要となる剣を作る刀鍛冶の村を舞台に、女鍛冶の弟子になった少年が(二つの意味で)一人前に成長する過程を描いた物語。
剣と剣による戦いや魔法剣の存在、刀鍛冶としての解説や描写などが細かく書かれているほか、シリーズ全体に流れる雰囲気を感じ取るのに向いていると思う。もちろん3人のヒロインとのエロエロも存分に楽しめる内容になっていなければ推したりしない。

二次元ドリーム文庫で惜しかったもの
あおかん! お嬢様とお外でシましょ? (二次元ドリーム文庫 167)
 年上お嬢様ヒロインとの青姦限定エロコメディ。
 行為を行うところすべてが屋外。注目は父親が操縦する自家用ヘリから身を乗り出しての上空セックス。

お姫さまといっしょ どきどき同棲ライフ (二次元ドリーム文庫 162)
 双子プリンセスとの同棲生活。二次元文庫では珍しいロリ体型な双子の挿絵とその質感に。

イチャらぶ生徒会長 (二次元ドリーム文庫 150)
 学校ではツンな生徒会長だけど、実は主人公の婚約者ですでに同棲中。
 彼女は結構その気で帰るとデレる……って個人的にはこれが本当の意味の「ツンデレ」じゃないかと思う

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