第628回東京都青少年健全育成審議会資料を読む

「資料を読む」ラベル記事を初めて読む方へ
この資料で出てくる「意見」というのは審議会の委員の意見ではなく審議会の会議資料として渡されている「会議資料」にすでに書かれているものです。
これらは審議会の開催前に前もって開かれる自主規制団体のメンバーによる読み合わせによって出席者から出されます。
詳しい日時や参加者については、「「東京都青少年の健全な育成に関する条例」に係る事務施行経過」という資料の多くは一番下の日程で書かれています。

資料リンク

資料１　諮問図書類及び指定基準該当箇所
資料２　諮問図書類：自主規制団体からの意見聴取結果
資料４　過去１年間の指定回数一覧
資料５　条例に係る事務施行経過

〔出席者〕
（社）日本雑誌協会
（一社）日本出版取次協会
東京都古書籍商業協同組合
首都圏新聞即売懇談会
（一社）日本フランチャイズチェーン協会
出版倫理懇話会

？　今月は「都民からの申出」ないの？

25期になりました

とはいえ今まで気にしたことなかったんだよなぁ……と思ったら案の定、

東京都青少年健全育成審議会　25期委員名簿
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/09_singi/13_meibo.pdf

3人しか変わってません。
東京都地域婦人団体連盟、東京都公立中学校PTA協議会の2団体と関係行政機関の職員に1人。
ということで議論的にはほぼ連続性が保たれそうです。

審議会について東京都がまとめてくれました

審議会運営に関する資料
 http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/09_singi/628/628siryou_unei.pdf

委員選出や出席、決議ルールなど、いろんなところから審議会についての条文・ルールを収集した資料が公開されてます。
これから審議会ウォッチをしたい人にオススメの資料です。

前回保留だったジーウォークの2冊指定はどうなったのか？

資料４（過去１年間の指定回数一覧）を読むと、きっちり2回分カウントされてます。
1か月で6冊指定されれば最短1か月での警告が可能なようです。
正直ターゲットの出してる雑誌全部諮問させたら指定率100%の審議会を通していつでも達成可能な気がしますが……そこまで恣意的な使い方はしないと思うけど……

35歳からの恋愛　ReAL別冊サクラミステリー　デラックス11月号増刊　平成24年9月26日発行

発行元：メディアックス

• 修整はされているが、性交シーンが多いので指定該当。ＤＶＤも性交シーンなので指定該当
• 雑誌、ＤＶＤとも性描写が多く、指定やむなし。
• 擬音多し。女性器をあらわに表現し、男性器は影でも具体的。ＤＶＤは性交そのもので単調。指定該当
• 性交場面が多く、男性器が描かれている部分もある。ＤＶＤの処理も甘く、男性器が映る。指定やむなし。
• 性交箇所は修整され、大人向けの漫画で青少年は刺激されない。ＤＶＤはマーク等が必要。指定該当
• 短編のうち、200～244頁の作品に卑わい感があり、特に男性器の修整が全くなく指定該当
• 一部のシーンで性的行為が露骨。卑わい感も強い。「35歳～」は成年向け表示とは見れないか。指定該当
• 大人の～とあり、高定価。青少年が手に取るかは問題だがマークは必要。映像はモザイク不十分。指定該当
• 下手な漫画が多く、わいせつ感は薄いが、一部の性器描写がリアル過ぎ問題。映像もわいせつ。指定該当
• 作品により性表現の強さに幅があるが、ＳＥＸシーン全体のページ数の多さを考えると指定やむなし。
• 卑わい感は抑え目だが性描写は多く、調教ものや陰毛・体液が描かれている。映像は消しが甘い。指定該当
• 性器の描写が露骨なものもあり指定やむなし。ＤＶＤに言及するまでもない。
• 本誌、ＤＶＤともに修整が甘い個所が多く卑わい。指定やむなし。
• 大人の女性限定と明記し青少年を対象としていない。修整もされ、非該当としたいがＤＶＤもあり保留
• 大人限定の表記、1,000円という高定価。青少年は買いにくい。ＤＶＤは問題ないが一部修整が不十分。保留

赤－指定やむなし：13　 緑－保留：2　 青－指定非該当：0
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DVDつき書籍は珍しくなくなってきましたが、もう少しで赤一色という結果。
下手とか大人向けとか高価格のような青評価な言葉が出るわりにはしっかり赤判定している辺り、その辺の注意をするように事務方に告げていた効果があったのかも。
しかし上段に「大人の女性限定」って書いてあるなぁ……

SPコミックス みっくすパーティ 平成24年9月21日発行

発行元：リイド社

• 卑わい感はないが、性交シーンが多いので指定該当
• 修整されているものの、性描写が多く、指定やむなし。
• 性交場面多し。擬音もあり、挿入場面の男性器の消しが甘く、くだらない画面ばかりで指定該当
• 一部シーンで性的行為の描き方が露骨。卑わい感も強い。指定やむなし。
• 著しく性的感情を刺激するか微妙なところ。性交シーンも多く迷うところだが指定やむなしか。指定該当
• 人格否定することはないが、構図など性的行為の露骨な描写が多く卑わい。指定やむなし。
• ＳＥＸ描写が多く体液、擬音も目立つ。全体としてはコミカルなタッチで卑わい感与えず判断に迷う。保留
• 性交場面は多いが処理はきちんとされ、複数性交は気になるが笑える部分もあり問題ない。指定非該当
• 性交箇所は白ヌキ等で修整され、大人向けの漫画で青少年が著しく刺激されるとは思わない。指定非該当
• 一部女性器への指の挿入箇所が気になるが、消しも入り性交シーンも卑わい感はなく問題ない。指定非該当
• コミカルなタッチでリアリティがなく、性的感情を刺激するとは思えない。指定非該当
• コミカルなゲーム的ストーリーで変な劣情を感じさせるものではない。この程度なら問題なし。指定非該当
• 一部に男性器の形が残るがドタバタお色気コメディの域にあり卑わい感を演出したものではない。指定非該当
• ストーリー上性描写はあるが、修整もされ卑わい感はない。許容範囲であり指定非該当
• 絵柄自体リアルではなく、修整もされているため、指定非該当

赤－指定やむなし：6　 緑－保留：1　 青－指定非該当：8
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「ろーまじ」でも指定されてた大見武士の漫画がまた指定。
とはいえこちらは青優勢。

IZUMI　COMICS 02　本当にあった人妻浮気話　平成24年9月10日発行

発行元：一水社

• 性交シーンが多く、絵柄も上手なので指定該当
• 修整されているものの、性描写が多く指定やむなし。
• 全編性交場面である。陰毛と、女性がくわえる男性器が具体的な描写で卑わい。指定やむなし。
• いくつかの短編の中に性的行為の描き方が露骨なものがある。卑わい感も強い。指定やむなし。
• 性器の処理はされているが器具の使用もあり、描写も露骨。表紙が手に取りやすいかもしれない。指定該当
• 全体に漫画のレベルが低くわいせつ感は薄いが、一部の作品の性器、バイブの描写がリアル。指定該当
• 400ページ以上のボリュームに、ＳＥＸシーンが多く圧倒される。修整も不十分で卑わい感が強い。指定該当
• 未成年者が買うか判断しかねる。ストーリー性はあるがＳＥＸ描写が多い。器具も目立ち卑わい。指定該当
• 丁寧に修整していると思っていると、作家が異なるせいか甘いものもある。性交シーンも多く指定やむなし。
• 人格を否定する作品が部分的にある。修整が甘い箇所が多く卑わい。指定やむなし。
• 性器部分の処理はされているものの器具を使っての場面もある。保留
• 性交箇所は白ヌキ、ボカシ等で修整されているが、一部甘い所があり保留
• タイトルどおりの内容で全編ＳＥＸシーンであるが、浮気がテーマだけに過激な描写は仕方がない。保留
• 人妻話なので青少年を対象としていない。ただ後半に器具のリアルな表現があり成人マークが必要。保留
• 性的行為の描写が多いが、修整もされている。指定非該当

赤－指定やむなし：10　 緑－保留：4　 青－指定非該当：1
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よっぽど器具描写が目立つらしく赤が多い結果に。
今更ながら青少年が読みそうにない本に限って、指定される気もするのは気のせいだろうか。

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