美少女文庫
『妹はLサイズ!』著:巽飛呂彦/イラスト:みついまな オススメ度:★★★
16歳の高校生の兄、寿也(としや)のお嫁さんになりたい妹、紗英菜(さえな)は13歳。年齢に似合わずFカップに育ったバストを持つ彼女だが、実は兄より20センチも背が高い身長170センチの「Lサイズ」妹だった。頭の中は13歳以下な彼女は親友の11歳小学5年生の少女、五郎八(いろは)の手ほどきを受けながら「お兄ちゃん」寿也に迫っていく……
妹から迫って初体験したら、もう完全に兄が吹っ切れて妹に羞恥プレイの嵐を浴びせるというそれはわかつきひかるの領域だろ、と思った1冊。「身体はオトナ、頭脳はコドモ」な妹と妹への感情にいろいろ迷う兄の気持ちの動きはよく書けてるけど、肝心の行為描写に入ったとき大前提である体格差があまり感じられなかったのが残念なところ。身長差が大きく影響する体位や「届かないからもうちょっと下げて」的な描写が1行でもあったら変わったかもしれない。
あと五郎八が挿絵すらないというのが……さすがに行為は期待できなくても兄妹を思って自分でするくらいのカットは欲しかったなぁ……
『あねてぃ お姉ちゃん先生は弟専用』
著:上原りょう/イラスト:Yuyi オススメ度:★☆☆
財閥TOPの孫だった主人公、竜之介は両親が蒸発して伯父夫婦に迎えられて暮らしていた。しかしTOPであった祖父が亡くなり、後継者に指名された竜之介は教育を施すため財閥の運営する転校させられ姉代わりだった伯父の娘、綾瀬が担任のクラスに編入することになった……
いわゆる姉&教師の1点ヒロインモノ。2人の関係はサクサク進みますが、それを学校側からはファンクラブ「ラヴラヴアヤセ」(ファンクラブというには規模が大きすぎて生徒会すら凌駕する権力組織)、会社側からは一族に反旗を翻そうとする勢力が妨害するという形。性的な部分と話の筋になる部分がほぼ分離しているので読みやすいといえば読みやすいけど、1点ヒロインということで綾瀬というキャラを愛せるかどうかがすべて。キャラ的にはスタンダードな姉キャラ+教師キャラなのだけれど、父親との確執や2人の関係を目の当たりにして変化する「ラヴラヴアヤセ」会長、水無瀬郁美とは関係が持てない(まぁ姉一筋な竜之介だし)点でちょっと残念かなぁと。正直こっちの方がキャラ立ってたし。 『戦国恋姫』
著:七海ユウリ/イラスト:あきら オススメ度:★★☆
両親の海外赴任により、祖父の神社の蔵に住むことになった主人公、宇田川司。住むための掃除をしていて見つけた長持を開けてみると、そこから500年前の戦国時代に妖狐、玉藻(たまも)とともに封印されていた当時のその土地の姫だった鎧姿の少女、小田峰壬琴(おだみねみこと)が封印を解かれて飛び出してきた。玉藻は司から精気を抜き取って逃亡。壬琴はその時のアクシデントで司とキスをしてしまい、司の妻になることを勝手に決めてしまう。
「となプリ」「騎士プリ」などの七海ユウリの売りは個性的な結末でエロだけではなく話としてもいいラブコメに仕上げてくれるのがいいところ。今回も一応「姫」なので、キャラ的には「サムライガール」の刹那っぽい部分がありますが、流れ的には「○○プリ」の流れだと思います。
挿絵のあきらって昔はあまり印象よくなかったんだけどここ数作はいい仕事してるなぁ。
500年前の世界からやってきた壬琴にとっての現在での生活への順応をもう少し細やかに描写してみてもよかったかなという感じはします。500年前にはなかった下着付けてみるところとか。玉藻についてはWikipediaである程度のベースになったキャラがいるのでそちら参照。
二次元ドリーム文庫
「コスって! 声優しすたーず」著:山本沙姫/イラスト:美弥月いつか オススメ度:★★☆
再婚により姉と妹となった3姉妹は十年後、3人とも同じ魔法少女モノアニメの人気声優になっていた。しかしオタな主人公はその魔法少女アニメのエロ同人誌を描く事に……
ヒロインの魔法少女に三女、サポートのネコミミくノ一に次女、敵の女王に長女という組み合わせ。まずは同人誌とエロゲ仕事の練習で3姉妹の処女をいただいた後同人イベント会場でそれぞれからコスプレご奉仕、そして打ち上げでもコスプレでハーレムというオーソドックスな二次元文庫テイスト。
でも同人イベントでするならコスプレはともかく声優である必要性ないし、出演声優がキャラのコスプレして会場にいたら普通間違いなくバレる。というか見たいわw 声優モノと聞いてとても期待していたのに声優独特のシチュエーションがほとんどなかったのが期待はずれでしたが三女がかわいいのでその分だけは許すって感じです。同じ3姉妹でも声優モノ・同人モノ・コスプレイヤーモノのそれぞれで他にないシチュエーションを用意して1冊ずつ書いた方がいいと思う。
「しゅごにん! くのいちパラダイス」
著:真慈真雄/イラスト:神保玉蘭 オススメ度:★★★
日本の陰で暗躍する忍軍を統べる頭領の孫である主人公を守護する2人のくノ一とそれを日々狙う対立忍軍の一人娘とその姉が繰り広げる1対4学園エロコメ。
順番にヒロインをこなして最後に1対4という王道ハーレム構成。メインは主人公の命を狙っているはずの対立忍軍のロリっ子同級生、狭霧。なんか久しぶりな気がする子宮挿入で締めてくれます。
でもね……問題はその直前に別のヒロインの後ろに挿入してるんだよね……。そんなもんで大事なロリの子宮かき回すなよというのが個人的な美学(?)なんですが、まぁ好きな人は好きなんだろうし。これ小説だし。
一迅社文庫(一般)
「ふたかた」著:わかつきひかる/イラスト:巻田佳春 オススメ度:★★☆
交通事故で死亡した双子の姉、瑞希は幽霊として弟、高志の側に、そこで憑依して高志の体を乗っ取った瑞希は自分の(女子)制服を着て学校に来てしまう。学校は騒然、高志は「姉を失ったことによる二重人格」と勝手に診断され、学校にも通知。彼は「病気で女装してくることもあるかわいそうな生徒」として全校に知られしまうことになってしまった。しかし双子だったせいか、女装した高志は生前は学校でも一、二を争う美人だった瑞希にそっくりで、姉の意向で学校のミスコンに出ることに……
わかつきひかるのラノベシリーズ第2弾。「AKUMAで少女」シリーズ同様こちらでもTS(トランスセクシャル)がベースになる模様。
ある意味孤立してしまった高志を支えるのは、双子と幼馴染だった同級生の優亜。高志と彼女の関係と瑞希の死の真相がこのシリーズでの当面の目的になる模様。
相変わらず容赦しない性的描写(男だけど)で、行為がなくてもエロ小説になりそうなほど。おまけに巻田佳春が描くんだからかわいいのなんのって。しかし女装する手順とか女装パーツとか詳しいよなぁ。あ、PADは女装パーツじゃないかw
徳間デュアル文庫(一般)
「サムライエイジ」著:みかづき紅月/イラスト:さとみ オススメ度:☆☆☆
名刀「桜花」の継承者にして必殺剣を使える少女、三月弥(みつき・やよ)は実家を出て学園都市内の高校「蘇芳学園」にごく普通の女子高生ライフと恋を夢見て入学したものの、そこは生徒全員が帯刀し、「力こそ正義」の戦場学園だった……
学園で自治団結する「団」の中でも名刀保持者が団長の2つの有力な団「紅」と「十文字」、そしてルームメイトになった謎の少女、千を絡めて入学式から始まる学園にふさわしくない者を1ヶ月で退学させる「士道不覚悟月間」の1ヶ月を描く学園モノ。
サムライな女の子を書かせたら確かにうまいんだけど、今回はエロではないので作品的にどこに主眼を置いていいのかわからない。恋でも剣でもなさげに見える。話的には読めるんだけど、その辺があまり楽しくない。あと挿絵やキャラ紹介みたいな部分が他のブランドに比べてやっぱり不足で弱い。文庫本としても微妙に大きすぎて文庫用カバーがかけられなかったりするし「徳間デュアル文庫」というブランド自体がラノベブランドとしては訴求力が小さい気がする。
さて、今月ですが美少女文庫は
『My姫』わかつきひかる/みやま零
『好き好き大好きお姉ちゃん』青橋由高/七瀬葵
『武士妹!』森野一角/龍牙翔
……ガチです。著者/イラストともこの上なくガチです。
二次元文庫はなぜか先月からAmazonには入っていて、今月からはもう7月分が予約可能になってます。
ハーレムシリーズの「ハーレムキャッスル」の2巻目登場。
一般ではみかづき紅月の今月2冊目になる新刊が一迅社文庫から。
『ぶよぶよカルテット』 みかづき紅月/refeia
……何これ。
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