2009年11月17日火曜日

第105回 放送と青少年に関する委員会の議事概要を読む

第105回 放送と青少年に関する委員会の議事概要 http://www.bpo.gr.jp/youth/giji/2009/105.html
1. 一連の薬物問題報道について
 ここのところ盛り上がりすぎていた芸能界の薬物関連報道について、委員会からの「要望」が出ました。 「青少年への影響を考慮した薬物問題報道についての要望」  中身としてrは批判の意見が多数届いたことを受けて、1)啓発 2)表現 3)多角的報道の3点から「要望」しているわけですが。
2)表現  今夏以降の報道のうち、薬物の入手経路、使用方法などの放送上の表現について、「青少年にドラッグや覚せい剤に興味を与えるだけ」などの視聴者意見が届いています。日本民間放送連盟「放送基準」では、第10章の犯罪表現の中で第67条「犯罪の手口を表現する時は、模倣の気持ちを起こさせないように注意する」、第69条「麻薬や覚せい剤などを使用する場面は控え目にし、魅力的に取り扱ってはならない」としています。各放送局は上記放送基準の趣旨を充分に理解した上で番組制作にあたり、青少年に薬物への興味を惹起させるような表現がないよう、極めて慎重な配慮を要望いたします。
 「放送基準」とは書いてあるものの、具体的にどの番組がそうだったのか自分にもわかりません。  意見としては番組名とセットになっていることが多いので局側には渡ってると思いますが……
2. TBS『アッコにおまかせ!』8月23日放送分の局からの回答について
 ※【参照】TBSが酒井法子の息子を無修正で流す 前回の審議内容を受けてTBSに以下の回答を要請。その返事が返ってきたようです。
【青少年委員会からの「回答のお願い」】 (1) 写真パネルが無修正のまま放送に至った経緯についてご説明をお願いします。 (2) 放送素材に関しての制作スタッフの認識・チェック体制についてご説明をお願いします。 (3) 放送後、貴局内で当該放送についての対応及び今後の具体的改善策等のご議論があればその内容をお知らせください。 (4) 番組制作にあたって、とりわけ青少年の人権への配慮についてはどうお考えでしょうか。
 これを受けたTBSからの回答をまとめると以下の通り
(1)(2)について ●前の週(8月16日)  ・該当の写真を番組が独自に入手、それを放送でVTRとパネルで紹介(この時は起訴されたタレントの家族なのでモザイク処理済み)  ・この写真を翌週(8月23日)の放送に於いてもパネルで使用することに。
●放送前日(8月22日)深夜  ・番組のパネルは放送前日の深夜に開かれる放送素材のチェック・確認を行う会議の中で、モザイク処理が必要かどうかについての判断、指示が行われる。  →今回もこの会議の場でプロデューサーがご家族の顔にモザイク処理を施すようにスタッフに指示、そのまま「デザイン部」に発注。
 ・「アッコにおまかせ!」のパネルは非常に大きいので、デザイン部でのプリントアウトに時間がかかる。  →発注時に写真の搬入が間に合わなかった場合に備えて、とりあえず仮の写真で作成しておき、後で正しいものが出来上がったら仮のものの上に貼り付ける体制  →このときも暫定的に修正前の写真でパネルを作り、後からモザイク処理されたものを貼り付けることに。【第1の原因】
●パネルのチェック(プリントアウトされるまでの待ち時間、そして完成後)  ・チェック体制:カラーコピーの縮小版を出力してプロデューサー、ディレクターのほか、「ゲートキーパー」と呼ばれる校正担当者など5人でチェック  ・しかしこの日は発注時間が2時間ほど遅れ(作業量過多・確認箇所が多数)  ・元の写真のピントが甘く不鮮明  →チェック用に作った縮小版で見た全員が、モザイク処理済だと思い込んだ   →この「思い込み」のため実際に完成したパネルをみても、誰もモザイク処理されてないことに気づかなかった。【第2の原因】
●本番用画像の到着  ・パネルは5つのブロックに分かれており、修正はそのブロックごとに張り替える。  →この日は該当の写真と同じブロックに、文字の修正箇所。   →放送時間が迫っていたため、担当ディレクターとチェック担当者が修正ブロックが届く前に手書きで修正。    →その後その修正部分(モザイク処理写真を含む)到着。しかし写真のモザイク加工は済んでいると思い込んでいた【第2の原因】上、文字部分の修正は手書きで済んでいると考えていたため、貼り付けの作業自体不要と判断。 【第3の原因】
●そして本番へ  ・全員がパネルは完成物であると確信したまま本番突入。  ・放送中、プロデューサーが修正前の写真であることに気づき、スタジオのカメラマンに写真を撮らないよう指示   →引きの(アップでない)映像を含めて約13秒間、放送。
 なかなか事実関係が上手く記されていて舞台裏事情としてもわかりやすい。許せるかどうかは別問題だけど。  見かたを変えると言い訳並べてるだけ、とかそもそもこんな体制でよく今までやってこられたなとか言いようはあるのだけど。  あと「プロデューサーが気づいた」ってあるけど、見た人の話ではアッコがその場で指摘したように聞こえるんだけど……。
(3)について  8月27日 所属事務所(当時)に経緯をご説明した上で、謝罪の意と翌週に「謝罪放送」を行うことを報告。  8月30日 翌週の放送となるこの日にお詫びの放送。  「先週の放送で、番組側の不手際から、事件とは関係のない方々の写真についても、そのまま放送してしまいました。ご家族の皆様、関係者の皆様に大変ご迷惑をおかけしました。お詫び申し上げます」    番組の制作体制  ・従来からの5人に加えて、写真部分だけをチェックする「写真担当ゲートキーパー」を新たに配置  ・モザイク処理をすべき写真については、暫定的であっても処理前の写真を使用せず、空白とすることを確認。  ・十分なチェック時間が確保できるようにパネル発注の締め切り時間を前倒し&厳守徹底。    処分  ・プロデューサー、担当ディレクター、管理上の責任を持つ情報制作局情報センター長、番組が所属する情報二部の部長  →情報制作局長が厳重に注意しました。
 (4)については「気をつけてます」ということを言ってるだけなんで割愛。  委員会も「もうやるなよ」ってことで終了みたい。  ちなみに(元の写真が載ってた?)サンスポに関してですが、BPOに属するものではありませんのでこの委員会が触れることはないでしょう。
3. テレビ朝日『仮面ライダーディケイド』8月30日放送分の局からの回答について
 これも前月上がって話題になりました。  テレビ朝日の社長が謝罪する事態にまでなってしまったわけですが、その発端になったBPOからの回答要請に対する回答が届いた模様。
【青少年委員会からの「回答のお願い」】 (1)当該番組は、最終回でストーリーが完結したものになっていたとお考えでしょうか? (2)上記のような視聴者からの批判について、どのようにお考えでしょうか? (3)最終部分の内容は実質的には映画のCMとも受け取られかねないものですが、番組とCMを区別すべきとの考え方に照らして、どのようにお考えでしょうか? (4)判断力の未熟な低年齢の児童を主たる視聴対象とした番組で、このような手法を使用することについて、どのようにお考えでしょうか?
 質問と合わせる形に並べます (1)当該番組は、最終回でストーリーが完結したものになっていたとお考えでしょうか?
(1)について  テレビシリーズとしては完結しています。  本作品は平成仮面ライダー10周年の記念企画で、2000年放送の仮面ライダークウガから、全ての仮面ライダーが順に登場します。クウガの世界、アギトの世界・・・と、主人公が歴代ライダーの世界を順に旅をして、その世界の敵を倒しては、また次の、別のライダーの世界へと旅を続けます。各エピソードは2話完結を基本とし、シリーズとしてはオムニバス形式で各話に連続性はありません。  テレビシリーズの最終回では、主人公がそれまでに出会った歴代の仮面ライダーたちと協力して、共通の敵・大ショッカーと戦い、見事倒して大団円を迎え、完結しました。
 うーん。動画的には連続してるのにそういうところでテレビ版が終了しているというのはあまりにもトリッキーすぎるんじゃないだろうか。 (2)上記のような視聴者からの批判について、どのようにお考えでしょうか?  批判と言ってもこちらから観測できるのは、意見にもある
子ども向けの特撮番組で、最終回であるにもかかわらず物語の途中で終わり、結末は12月公開の劇場映画版に続くとのことだった。謎だったことは謎のままで終わってしまった。少なくとも一般視聴者が思い浮かべる「最終回」とは、かけ離れていたと言わざるを得ない。基本的には子ども番組なのに、番組自体が「嘘」をついたことになるのではないか。
 ……しかないわけですが。
(2)について  テレビシリーズとして完結したにもかかわらず、それまでと後に続けた映画の告知部分との区別が分かりにくく、映画告知の手法として適切でなかったと考えます。  「仮面ライダーディケイド」は特別企画のため、放送期間を通常の仮面ライダーシリーズの1年間(約50話)よりも短い8カ月間弱(全31話)で予定していました。放送開始以来、視聴者の皆様からご好評をいただき、終了が近づくにつれ「終わってほしくない」というご要望を多数いただきました。一方で、次のテレビシリーズ「仮面ライダーダブル」の放送も決定しておりました。このため、急きょ「ディケイド」の映画を企画し、12月に公開することを決定したしだいです。  こうしたことから「ディケイド」テレビシリーズの最終回で、「ディケイド」映画化に関する告知と、次のテレビシリーズ「ダブル」の予告の両方を行いました。  「ディケイド」のテレビシリーズでは、最終回より前のレギュラー放送において、一つのエピソードが終了した後、番組のエンディングで唐突に次の「旅」の予告が始まるという演出手法をとっていました。最終回では、この手法を踏襲して、映画「ディケイド」の告知を放送しました。そして、CMをはさんでテレビシリーズ「ダブル」の予告を放送しました。そのため、どこまでがテレビシリーズの本編でどこからが映画の告知なのかわかりにくくなり、多くの視聴者から「テレビシリーズが完結しておらず、ストーリーの続きは映画でということなのか」というお問い合わせやご指摘をいただく結果となりました。  テレビシリーズと映画の告知との区別を、視聴者が分かるように明瞭にすべきであったと反省しております。ご意見ご指摘を真摯に受け止め、今後の番組制作および映画等の告知に反映させていただきます。
(3)最終部分の内容は実質的には映画のCMとも受け取られかねないものですが、番組とCMを区別すべきとの考え方に照らして、どのようにお考えでしょうか?
(3)について  放送法第51条の2の規定で、対価を得て行う広告放送は、視聴者が広告放送であることを明らかに識別することができるようにしなければならないと定められていることは、理解しております。ご指摘の最終回の最終部分の内容は、テレビシリーズ「仮面ライダーディケイド」の映画化についての情報であり、告知にあたるものであって、CMではありません。  今回の映画の告知は、映画化が決定し、12月に公開することの第一報であり、「ディケイド」の新たなエピソードを映画で公開するという、視聴者の皆様に向けた情報発信です。  視聴者の皆様にCMと受け取られないよう、今後とも表現方法において工夫し配慮したいと考えております。
(4)判断力の未熟な低年齢の児童を主たる視聴対象とした番組で、このような手法を使用することについて、どのようにお考えでしょうか?
(4)について  上述のとおり、本作品は平成仮面ライダー10周年の記念作品であり、10年前子供だったファンの皆様にもお楽しみ頂けるような番組をめざしました。シリーズ後半では、「ブラック」や「RX」、「アマゾン」といった昭和ライダーも登場させ、二十数年前に視聴していたオールドファンの皆様にもお楽しみいただけるラインナップを組みました。  通常、仮面ライダーシリーズは児童とその母親世代が主な視聴者層ですが、本作は幅広い視聴者層へ向けた、仮面ライダーシリーズの中では特殊な作品であり、大人向けの演出も心がけました。  しかし、多くの児童が番組を視聴していることに変わりはありません。テレビシリーズの結末と映画の告知の境目が低年齢層にもはっきりと伝わるよう、例えばナレーションやテロップを用いて明瞭に区別するとか、映画の告知部分を短くするとか、テレビシリーズが完結した後にCMなどをはさんで映画の告知を行うなど、演出方法や番組の組み立て方の工夫で、誤解が生じることを避けるべきであったと考えております。  今回、ご批判を受けたことを重く受け止め、今後の番組制作において十分に配慮していきたいと考えています。
 うーん。平成ライダーは全然見てないし、高知県はそもそも見られないからこの最終回の繋ぎ方は酷いとは思うものの噛みつけるほどのものでもないんだけど、  「ディケイドは2話構成が連なってるオムニバス」で「予告はBパートにかぶってる」から最終回もそのまま予告に相当するところに映画の告知入れたらほぼ間違いなく続きが映画ってことにされちゃいますよ。  しかもここでいう「テレビシリーズの終了」は「大ショッカーと戦い、見事倒して大団円」だという。  それに相当しそうなのってスーパーアポロガイストを倒した直後だよね。どう見ても区切りなんかないよ。全然お子様向けじゃないし、玄人でもわからんよ。  しかし今のライダーは「お子様と母親」なんだ「父親」は「オールドファン」なんだ……

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