2012年7月25日水曜日

第625回東京都青少年健全育成審議会議事録を読む

第625回東京都青少年健全育成審議会議事録
http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/pdf/09_singi/625/625gijiroku.pdf

図書審査……やっぱりAV雑誌は指定ですよねー

 「両方指定でお願いします」は抜きで出た意見をまとめると……

〇■ ■ 委員
 私も、もちろん指定でお願いします。「2 重丸指定にしたい」というのが書いてありますが、本当に、もうそのとおりだと思います。売ること自体いいんでしょうか、と思います。

〇■ ■ 委員
 やはり2 冊とも指定するべきだと思います。2 番の「ベストビデオスーパードキュメントVOL.131」は、今まで130 冊も出版されていたのに、この審議会に出てないので、今回は何らかの理由でマークを付け忘れてしまったのかな、という気はします。しかし、諮問された以上は指定でお願いいたします。

〇■ ■ 委員
 2 誌とも指定でいいと思いますけども、この審議会じゃなくても、久しぶりにこの2 番みたいな雑誌を見ました。
 以前に書店等で、「区分陳列に時間がかかります」というふうに申し上げましたけども、こういうのはあるんだな、とわかりました。
 こういうのを見ますと、多分、私どもよりは若い子、保護されるべき青少年は、こんなの見ること自体、平気なんですよ。だからいつも現実と条例との乖離というのを感じるんですけども、■ ■ 委員が「こんなの売ってていいんでしょうか」と言うけども、当たり前の人たちがいっぱいいるんですよ。だって処女性とか、あなた方のころにあったかどうか、知らないけども、今、誰も言わないでしょう、若い子は。学校でも多分、処女性というようなことを、先生方も言わないでしょう。現実との乖離を、すごい感じるんですよ。でも、久しぶりにびっくりしました。
 両方指定でお願いします。

おかしな意見の理由は初めてだから?

〇会長代理
 2 誌とも指定で結構です。
 条例の解釈を、自主規制団体の方は、誤ってるかなと思うんで、ちょっと確認しておきたいんですけど。
 2 冊目の下から2 番目の「保留」の方ですけど、「表現が直接的過ぎて連想させるものがない」ので条例違反に当たらない、という趣旨のことですが、連想させる以前の話ということは、条例ではないということなんでしょう。この辺の解釈は誤っているということは、はっきりしたいんですけど、どうですか。
〇青少年課長
 解釈につきましては、当然ながら、皆様も「これはおかしい」というふうにはお思いかもしれませんが、条例の解釈そのものは、いろんな個人の見解がございますので、この自主規制会議のメンバーがおっしゃったことをそのまま載せております。ですから私どものほうで、その解釈が違うとか、合ってるということは、特に言ったりはしておりません。
 ただ、条例の解釈、例えば値段が高いだとか、そういうことというのは、事務局の解釈としては全く入っていないと申し上げております。あくまでも18 歳未満に見せたときにどう思うか、青少年の健全な成長の阻害になるかどうか、そういう視点で見ていただきたい、ということは申し上げております。
 ただ一方で、自主規制のメンバーで、たまたま初めて来たという方もいらっしゃいますので、いわゆる通常の解釈という意味では浸透していない、という部分がありますので、引き続き、それについては事務局のほうでも、共通の解釈は申し上げていきたいと思っております。
〇会長代理
 15 条1 項1 号イには、たしかに「連想」という言葉を使ってますけど、この「連想」は、全部条文にかかってるわけではないんですよね。連想させるものを指定するわけではなく、つまり直接的な描写はもちろんのこと、その後段のところで、連想させるものについても、ということですよね。
〇青少年課長
 私どもは、そのように考えてます。直接描写というのはもちろんのこと、「連想させるもの」も該当すると。したがって、「連想しない」から該当しないという解釈は、違うと思っております。
〇■ ■ 委員
 議会的に言うと、ここの部分は「又は」という言葉が入ってますので、「連想」は、「人格を否定する性的行為を容易に連想させる」ようなことで、その前の「全裸若しくは半裸又はこれらに近い状態の姿態を描写することにより、卑わいな感じを与え」るようなところが、もう基本になってると思いますので、「卑わいな感じを与え」てる時点で、すでにアウトということだと思います。与えなくても連想させたらだめ、という二段階だと思っていただくのがいいと思います。

 いやそれは完全に常識じゃないかな。「連想させないもの(エロいのそのまま)は指定にならない」なんて条例の主旨と意味のレベルで解釈のレベルじゃないよ。
 それにこんな意見、今回に限らず毎月出てるんだけど、出版社の人間に常識を期待しちゃいけないっていうことを暗に見せつけてるだけじゃないの?
 まぁ自主規制団体も出版の自由(表現の自由ではない)を頑固に主張してる手前、何としても指定非該当や保留にしてそうな人いそうだけどさ。

新資料の登場は出版社の要望

〇青少年課長
 条例に基づく事務の施行経過でございますけども、その前に10 ページに付いている資料について申し上げます。こちらは、不健全図書類の各発行所における過去1 年間の指定回数の一覧表でございます。6 月6 日の自主規制会議の中で、出版社の方からこのような資料の提供の要望がありましたので、この資料を作成しまして、7 月4 日の自主規制会議に提供いたしました。

 新資料については第625回東京都青少年健全育成審議会資料を読む参照。
 6月上旬に要望があったということは5月のピザッツ系コミックスの発売中止→エンジェル出版への移籍が絡んでいたことはほぼ間違いないと思われます。
 この資料が出たことにより、出版社ごとに累積が加算されることが確定となり、上記の移籍は累積回避に有効と判断されたわけで、実際に発売される8月からの展開が面白くなってきました。

都民からの要望

〇青少年課長
 それでは、資料の17 ページをご覧ください。6 月処理分の都民の申出でございます。6 月につきましては、電話による申出が3 件ございました。
 最初は、「コンビニにおける区分陳列について」でございます。これは、ある通り沿いの2店舗で不健全な図書類がシールどめや紐掛けされずに売られていて、青少年が購入できるとの指摘でございます。さっそく職員が付近の3 店舗につきまして立入調査を実施いたしましたけれども、いずれも区分陳列がきちんと実施されており、問題は特に発見されませんでした。

 完全に密告ガサ入れ状態ですな……

 次に、「性的および残虐な描写がある図書類について」の申出ということで、2 点ございます。
 一つ目でございますが、「性的描写があるまんが単行本」が書店の一般コーナーに置いてあるというご指摘でございます。こちらにつきましては、このまんがを調査購入しましたところ、キスシーンで舌が絡み合う様子や、女性の全裸が何箇所かに描かれておりましたけれども、不健全図書類の指定基準に該当するレベルのものではございませんでした。
 3つ目でございますが、ある少年週刊誌に「子どもが読むには性的刺激が強すぎる」また「残虐な描写がある」というご指摘がございました。この少年週刊誌を調査購入いたしましたけれども、こちらも不健全図書類の指定基準に該当する程度のものではございませんでした。

 そしてまた課長レベルで止まってしまった……
 事務レベルで止まってる以上は都民からの要求でこの条例が動くことはないんだろうな。あくまで東京都が好き放題に指定するためだけの条例だということで。

審議員さんがコンビニで見つけちゃった……

〇■ ■ 委員
 「コンビニにおける区分陳列について」にちょっと関連するんですけども、6 月に警察署の方と補導をやらせていただいて、毎月一回、■ ■ 、■ ■ 辺りのコンビニを、少年課の方と一緒に回ります。今回、特に、区分陳列されているものじゃなくて、普通の週刊誌、例えば■ ■ ■ ■ と■ ■ ■ ■ は、区分陳列してなくて普通に置いてあり、その中の一作品だけが、すごい過激なんですよ。隠れ蓑みたいにして、その中に入ってる一部の漫画が、すごいひどい過激で、こういうのも、やはり、区分陳列の範囲に入るんじゃないのかな、という話題になったので、ここでちょっとお話しさせていただきます。
 それと、区分陳列が、昔は、区分されるほうが下の段に置いてあって、上下で分かれてたのが、最近はそうじゃなくて、全体の中の一番端っこのスペースに区分陳列されています。そういうふうに区分陳列のやり方も変わってきてる。私の前任の方も一緒に、少年補導をやってるもんですから、「ぜひここで言うように」と言われて、今お話しさせていただきました。
 やはり一冊全部が、今日みたいにおかしいということでなければ、区分陳列の対象にはならないんですかね。その辺は詳しくわからないんですが、意見としてお話しさせていただきました。
〇青少年課長
 今のご意見につきましては、この審議会委員のご意見ということで、業界の関係の方々に情報提供しまして、自主規制についてご検討いただくように連絡して、報告していきたいと思います。
〇■ ■ 委員
 いいじゃないですか。一回、■ ■ ■ ■ なんかを、こういうところで皆で審議して、それを規制ということになれば、すごいインパクトがありますからね。そのぐらいやるのも、またひとつ。僕は■ ■ 委員の意見に賛成ですけどね。
〇■ ■ 委員
 たまたま回ったのが6 月22 日なんです。だから、そのときに発行されてたそれだけなのか、その前後はちょっとわからないんですけども。今後、注意してていただいたらと思います。
〇青少年課長
 まずは業界の自主規制が基本でございますので、まず自主規制の検討ということで、今のご意見は情報提供して、まず業界の方々に、検討をお願いしたいと思います。

 実際にアンソロ的な本で収録された作品ごとに都条例に該当した例はあるので「雑誌の1作品だけが過激」という場合は当然そこを資料で示したうえで丸ごと指定ですね。
 しかし……

〇■ ■ 委員
 作品名はわかんないんですか。
〇■ ■ 委員
 ちょっとそこまでわかんないんです。そこまで控えればよかったですね。
〇■ ■ 委員
 ■ ■ ■ ■ ですよね。
〇■ ■ 委員
 ■ ■ ■ ■ と■ ■ ■ ■ 。

 控えろよ。どう見ても手落ち。

〇■ ■ 委員
 具体的に言われると、これはやっぱり大変なんですよ。ここでお話しになる前に、ちょっと私に言っていただけないかな。
〇嶋村委員
 それは違うんじゃないですか。それはおかしいですよ。■ ■ 委員が実際に行ってご覧になったんだから、やっぱりそれは都として買ってきて、実際見てみるべきです。それから話すべきで、それもなくて、自主規制というのもおかしいんじゃないですか、現実的には。
〇■ ■ 委員
 先ほど、答申で指定になりました「ベストビデオスーパードキュメントVOL.131」は、たまたま書店ですけども、この手の写真週刊誌、いわゆるエロ本みたいと言われるようなものは、コンビニにも置いてあるんですよね。だけどコンビニは、基本的に表示図書類は扱わないので、表示図書類ではないものを、コンビニで自主的に区分陳列をして販売してる、というスタンスなんですけど、コンビニに調査購入に入った時、区分陳列してる棚のほうは、チェックするんですか、しないんですか。
〇青少年課長
 基本的には、コンビニの区分陳列されている棚から、購入して、諮問することはありません。
〇■ ■ 委員
 コンビニの区分陳列は、あそこに区分されてる、という判断に立ってるということですよね。
〇青少年課長
 今のところ、業界の自主規制で、シールどめをしていることを尊重して、あえて区分陳列している棚から買ってきて、ここに諮問するということは、今のところありません。
〇■ ■ 委員
 しないということですね。やってないということですね。
〇青少年課長
 今のところは、そういう考えでやっております。

 あ、買ってないんだ。だから毎月少ないんだな。

具体名は黒塗りです

〇■ ■ 委員
 ありがとうございました。確認でした。
 先ほどの■ ■ ■ ■ の件も、例えば■ ■ ■ ■ だけじゃなくて、■ ■ ■ ■ というファッション誌でセックス特集をする場合もあるわけですよね。女性に対してタブーとされている、といったものを特集をして、すごく反響が強いです。
〇■ ■ 委員
 ■ ■ ■ ■ ですよね。
〇■ ■ 委員
 ■ ■ ■ ■ ですか。これは、読者の反応はものすごくいいんですよ。別に、性的感情を刺激する目的というよりも、知識としてちゃんと持ってほしい、みたいなイメージでつくってるんですが、これもおそらく、青少年に見せていいかという観点でみると結構微妙なラインになってきて、雑誌の様々な特集の中の一つ、あるいはまんが雑誌の中の作品の、様々な一つをどんと出してきて、指定するかしないかみたいな議論をしちゃうと、結構、幅の広さを失わせる可能性もあるんで、慎重にやったほうがいいと、私は個人的に思ってます。多分、さっき鈴木委員は、そういう意味で、ちょっと事前に情報をいただければ、自分も確認ができる、こういう場で発言ができるだろう、という意味で言っていただいたと思うので、そこは、考えていかなきゃいけないのかなと思います。そこまでいくと今度は、審議会というより、協議会の話になってくるんじゃないか、という気がしないでもないです。
〇■ ■ 委員
 ■ ■ 委員の発言を封じるつもりは全くありません。ただ、ここでの発言は、速記録は公開ですので、具体的な品名が出ますと、これは見る人が、何があったんだ、ということになるんで、慎重に願えないか、というふうに思ったのと、それから、今日みたいなものを見せられると、結構あんなものがまだ出てるのか、という印象はあるんですけども、相対的な流れで言えば、すごく良くなってるはずなんですよ。ここに上がってくるのも、2 誌とか3 誌とか、そんなものですし、私が出だしたころは10 誌くらい、普通にありましたから。そういう意味では良くなってきてるんだろうというのと、それから、性表現というのは、雑誌をつくる上で非常に大事なんですけども、活字ものから絵まで大事なことなんです。大事なことなんだけども、露骨な性表現をすれば売れるかと言ったら、それはもうほぼ、私の見てるところ、終わってるんですよね。ですから、小さい出版社がいっぱい潰れてます。なかなか出版界は、それ以外のものを、性表現以外のことを、何か見つけなければいけないという、そういう時期に来てるんで、ときどき、今日みたいなものが書店等に出てるかもしれないんだけども、大きな流れでいえば、7、8 年前と比べると、ずっと良くなってきてるんじゃないか、という気はいたします。
〇■ ■ 委員
 今の■ ■ 委員の話を受けて、どうなるか確認してからなんですけど、指定図書類の場合は、指定されれば、全部公開ですが、指定されない中で出てきた雑誌の個名というのは、基本的に僕は非公開になるのかな、と思ってるんですが、どうでしょう。
〇青少年課長
 基本的には非公開と思っております。
〇■ ■ 委員
 ということは、先ほどの、例えば■ ■ ■ ■ とか■ ■ ■ ■ は、とりあえず我々が、聞いてわかってればいい話なので、議事録上は黒塗り、というかたちになりますか。
〇青少年課長
 黒塗りというふうなかたちに処理したいと思っております。

 図書名を消すのに必死で委員の名前を消し忘れてますがいいんでしょうかね。まぁなくても推測できたけどね。

その順番はおかしい

〇青少年課長
 事務局の認識としましては、過激度のレベルから申し上げますと、一番過激な、いわゆる「著しく性的感情を刺激するもの」は、不健全指定図書類で、そこに至らない「性的感情を刺激するもの」は、表示図書類という扱いで考えてます。先ほどのコンビニの小口シールどめ誌につきましては、表示図書類に至らないレベル、いわゆるグレーゾーンという位置づけで、18 禁マークを付けるほどではないが、ちょっと配慮していただきたい、というものです。
 これについては、業界の自主的な取り組みをしているということで、この条例そのものが、まずは表示図書類ということで、業界の自主的な取り組みを促しておりますので、私どもはシールどめのグレーゾーンにつきましては、今のところ、あえてそこから買ってきて、この俎上に上げたりはしていないということは事実です。ただ一方で、先月もありましたけども、シールどめをしているんだけども、中身を見たら非常に過激になってきて、表示図書類のレベル、あるいは指定図書類に近いものもあるという問題意識は持っていまして、そういうことを、業界の皆さんとは、意見交換をしていきたいと思っております。
 したがって、グレーゾーンのものについては、論理的に指定できない、ということではないんですけども、今まで、業界の自主的な取り組みが、まず第一ということから、我々もその取り組みを尊重して、そこからは諮問していないということは、今までの状況です。
〇■ ■ 委員
 私も別に、やってくれという思いでいた、というよりも、むしろその考え方、非常に支持したいものですから。あくまでやっぱり、業界の自主的な取り組みというのを、本当に促していくというのが一番いいことだろうと思っておりますので、そこを促していくためにどうするか、ということを考えたほうがいいので。シールどめのほうも、確かにおっしゃるとおりで、中身がだんだん過激になっていっている、という現状がありますから、そこは注視はしていかなきゃいけないんですけども、だから即、そこからもどうぞ、というふうにやるよりも、むしろそうならないように、取り組みをちゃんとやってほしいということを、ぜひ業界のほうに伝えていっていただければ、と思います。

 東京都は表示図書(18禁マークつき)は一般で売られて審議された不健全図書よりも過激と申すか。さすがにそれは表示図書に対して失礼ではなかろうか。
 あと業界の自主的な取り組みを優先とはいうものの、指定も可能であるとチラつかせているわけで、この間出した福岡県警「暴力団関係書籍リスト」配布訴訟に近い「お願い」の様相になってきてますね。
 あーやっぱり東京都怖いわ―、マジ怖いわ―。

0 件のコメント:

アクセス解析