第97回 放送と青少年に関する委員会 http://www.bpo.gr.jp/youth/giji/2008/097.html
大きく分けて議題は3つ。
① バラエティー番組について意見交換
今月からバラエティ番組のチーフプロデューサー&コンプライアンス担当を呼び出して意見交換をするそうで、今月は日テレ。
委員からは、"笑いの質の低下"や"罰ゲーム"についてのほか、視聴者意見の社内対応について質問が出され、局側からは「クオリティーの高いバラエティーづくりを心がけている」「出演者のじゃれあいを楽しんでもらっている番組で、視聴者の支持は得ていると思っているが、"罰ゲーム"などにはより一層慎重になることを現場には徹底させている」などの発言があった。また、視聴者意見の対応については、「苦情意見などは幹部も含め社内で共有し、意見交換している。問題があったものについては、事例を作成し配付している」と説明があった。
「質の高い笑い」「クオリティの高いバラエティ」ってなんだろうね。
② 視聴者意見について
今月は3番組がリストアップだけど動画が見つかった2つをピックアップ。
日本テレビ『AKBINGO!』
アイドルグループが出演する深夜のバラエティー番組について、「深夜時間なので少しは性的な映像もあるとは思うが、小学生にコスプレをさせ、大人がそれを見て、興奮するとご褒美に食事券を与えるというのは不快だった」といった意見が視聴者から寄せられ、VTRを視聴のうえ審議した。
話によると2008年12月17日放送の「ザ・イロ萌えア」だそうです。小学生が出てくるのは上の2人目。
これを見た上での委員の反応。
・コスプレの衣装はそれほど問題とは思えなかったが、深夜の番組に11歳の少女を出すことが望ましいのか疑問だ。以前、委員会が出した「要望」を見直してほしい。 ・11歳の子どもにやらせる演出ではなく、見ていて不快に感じた。テレビ文化の質が下がってしまうことが残念だ。 ・ほかのメンバーの年齢は出さず、あえて"11歳"とテロップを出すところが問題だ。幼い少女に興味を示す人を刺激するのではないか。 ・11歳の少女を出演させることについて、スタッフも含め社内で検討すべきではなかったか。
まぁコスプレがレディースだった(これはこれで問題な気も)し他も露出面ではかなり考えた方だと思います。 これでこんなこと言われるならもう女子小学生タレントなんてテレビに出せないでしょ。これユニットなんだから一人NG出たら総入れ替えだし。 でもこれ収録なのかな。控え室が思いっきり夜だったけど。モー娘。みたいに労働基準法逃れしてるから大丈夫なのかな。
以上の審議の結果、幼い少女を番組に出すことについては、2006年10月に公表した「少女を性的対象視する番組に関する要望」を改めて制作者は再確認してほしい旨を議事録にとどめることになった。
この「少女を性的対象視する番組に関する要望」がこれ。
少女を性的対象視する番組に関する要望 http://www.bpo.gr.jp/youth/decision/001-010/008_girls.html
要は「ルールの再確認のお願い」何かをするわけでもない。
もともとBPOの委員会は放送局とは協力関係という名の対等(?)な関係にあるので、上からモノを言うことができない(視聴者であるこちらにはずいぶん上からに聞こえるけど)、ましてや番組編成を変えるような強制力なんて最初から持っていない。単にBPOが視聴者からの意見を基に問題のある番組に対して審査・検証を行って意見を述べるのみ。放送局はそれを無視してもお咎めはないけど、意見は公表してしまうので、守らなければ世の人が黙ってないよって感じ。それはそれで暴走すると怖いけど。 だから毎月の意見によくある「この番組はけしからん!放送中止させろ!」「この番組を子供の起きている時間に放送するのは間違ってる!深夜にしろ!」的な意見は最初から無意味ということになるんだけど、なんで毎月公表されてるんだろうね。番組内容を訴えてるからか。
フジテレビ『とくダネ!』
さて、ネットで話題になったあの話が来ましたよー
フィギュアスケート・グランプリファイナルで優勝した浅田真央選手を取り上げた情報番組について、視聴者から「番組の取り上げ方が、18歳の未成年選手を貶めている」「浅田選手に憧れている青少年を傷つけた」といった抗議の意見が多数寄せられ、VTRを視聴のうえ審議した結果、委員から「採点を分析しながら結局は浅田選手を応援していると感じた。ただ、採点についての解説の間違いは問題で、熱烈なファンにとって気になったのだろう」「浅田選手を貶めているといった意見は、視聴者の過剰反応ではないか」などの意見が述べられ、委員会として「特に問題があるとは思えない」という意見で一致した。
……? 動画に対する視聴者の指摘は
フィギュアスケートに関する放送で、元選手の解説による浅田選手とキム選手の点数比較には明らかな虚偽の内容があった。「浅田は1ミス、キムは2ミスにも拘らず点差は2.2点。ノーミス同士であったならキムが勝っていた」との内容だったが、浅田の転倒の箇所はトリプルフリップの単独ジャンプではなくトリプルフリップ?トリプルループのコンビネーションジャンプの予定であり、あの転倒による失点は 10.68であった。キム選手の2つのミスによる失点が10.46であるから、実際の得点差2.2に失点の差を加えてもノーミス同士であれば2.42で浅田が上回ることになり、元選手の発言は虚偽になる。元選手は現在コーチ業をしており、採点システムを熟知していなければおかしい立場にある。おかしなことだ。また司会者や局アナウンサーなどによる「表現力はキムが上」との発言も「捏造発言」と言える。過去のスコアで検証すれば捏造発言であることは一目瞭然だ。自国の優勝者を称えない、非常に気分を害する放送だった。
なんかズレてない? 問題は認識してるけど議題は「浅田選手を貶めたかどうか」で見てもそうは思わなかったから「特に問題があるとは思えない」という結論なんだろうか。いやそっちも十分物議かませる判断だと思いますが。だいたい視聴者と恩田コーチの採点のどちらが正しいかという裏は取らないのね。(すでに謝罪してた)というか「スーパーニュース」は検証しないのか。
③ 調査研究について
基本的に中学生モニター報告がメインのところ。
バラエティー番組
『ガキの使いやあらへんで!!』は賛否両論があった。2部の「笑ってはいけない新聞社24時」に好評意見が多く、「すごく面白くてこの一年の中で一番笑えて、気持ちの良い年越しが出来た」、「普段テレビで笑わせている側が笑わせられているというところが面白かった」、「いろんなシチュエーションがあるためバリエーションが豊富で、"今年はなにをするんだろう"という楽しみがある。定番が良い意味での定番なのだ」などだった。 批判意見は「第1部では、芸人がプロレスのような感じでいろいろなことをやっていたのですが、少しやりすぎる(過激な)所もあるのではないかなと私は思いました」、「コントに対して笑ってしまうとお尻をおもいっきり叩かれるという罰ゲームがあったが、回数が多すぎた。その罰ゲームをしている時間をもうちょっとコントに使ってほしかった」、「毎年見ていると、年を重ねるごとにつくりが大きくなっていて、そこでわざと笑わせているような姿勢が透けて見える。もう少し素朴で笑えるようなクオリティーの高さを求めたい」などだった。
君らは本当に中学生か?
音楽番組
音楽番組では『NHK紅白歌合戦』に8件意見が寄せられたが、賛否が分かれた。好評意見は「今回はけっこう若い人が出てたので視聴率が上がったと思う。若い視聴者があまり見たいとおもわない演歌などを、若い人から人気のある歌手の間に入れることで、なんとなくチャンネルを変えずにそのままにしておくからそういう工夫はいいと思う」、「データ放送やネットを通して随時、舞台裏の様子を知ることができるようになっていたり、ただ音楽を生放送するだけでなく、飛行船から大晦日の各地の映像を放送したりなど、最後まで飽きる事がなかった」などで、批判意見は「同じアーティストの方が同じ曲でこの番組に繰り返し出演しているのが気になった」、「他局である民放に頼りすぎるのはどうかと思います。もっとNHKにしか出せない個性を創っていくべきだと思います」、「司会者はかわりばえしないからどうかと思う。いままで司会をやったことがないひとなどにやってほしいです」などだった。
「同じアーティストの方が同じ曲でこの番組に繰り返し出演しているのが気になった」wwww
その他の番組
2件意見があった『第85回箱根駅伝』は、「箱根に出る選手たちは、各大学の誇りと仲間との絆をかけて毎日毎日一生懸命練習してきた人達ばかりで見ていてとても気持ち良いです」、「私は、この駅伝を見て新たな記録達成や喜びの瞬間を味わう事が出来て良かったです。この番組のおかげで、陸上・走る事にも興味がもてました」などと好評だったが、「トップの選手だけでなく順位が下の選手も映してほしいです」、「沿道にいる観客の中にどうでもいい事を書いた札を写そうとしたりする人がたくさんいて辟易したので、そういう人達を写さないようにカメラを工夫してほしいです」、という要望もあった。
何が映ってたんだろう
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