「資料を読む」ラベル記事を初めて読む方へ
この資料で出てくる「意見」というのは審議会の委員の意見ではなく審議会の会議資料として渡されている「会議資料」にすでに書かれているものです。
これらは審議会の開催前に前もって開かれる自主規制団体のメンバーによる読み合わせによって出席者から出されます。
詳しい日時や参加者については、「「東京都青少年の健全な育成に関する条例」に係る事務施行経過」という資料の多くは一番下の日程で書かれています。
資料リンク
資料1 諮問図書類及び指定基準該当箇所
資料2 諮問図書類:自主規制団体からの意見聴取
資料4 過去1年間の指定回数一覧
資料5 条例に係る事務施行経過
資料11 都民からの申出一覧
〔出席者〕
(社)日本雑誌協会
(社)日本書籍出版協会
(社)日本出版取次協会
首都圏新聞即売懇談会
(社)日本フランチャイズチェーン協会
出版倫理懇話会
ジュネットコミックス132 ピアスシリーズ314 愛玩奴隷クライマーズハイ!
赤-指定やむなし:9 緑-保留:5 青-指定非該当:2
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典型的なBLです。
ええまぁなんでBLだとこんなに甘いコメントが増えるのか理解に苦しみます。これが男と女で肛門性交だけの本だったら無条件で表示図書なのに。
それでも過半数の赤判定。理由は修正の甘さに集中。「蛍火のような」「白丸を散らし」「形がわかる」「丸モザイク」の修正ってどんなものなのやら。
BAMBOO COMICS 被虐のキッス 東城麻美伝説の作品集/上
赤-指定やむなし:9 緑-保留:4 青-指定非該当:3
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どこかで聞いたことのある名前だなぁ、と思っていたのですが、ネットバトルの世界で一時期有名だった模様。そしてすでに故人。
BL作家ということでしたが、ここでは一般エロの作品集が指定へ。
先月「値段が高い」は意見として通用しないと説明していると事務局は述べていたのに、ここでも出てます。出版の人間ってどういう脳をしているのかと。
青少年を対象にしていないかどうかも同様で、書店に置かれた場合の想像力がなさすぎで泣けてきますね。
ちなみにこれ「東城麻美伝説の作品集/上」とあるわけですが、「/下」はどうするんでしょうね。もう発売中なんですが。
今月の通報申し出
電話による申出(2件)
○ 書店における区分陳列について(1件)
○ 月刊雑誌におけるアニメDVDの広告イラストについて(1件)
月刊雑誌ってアニメ誌だろうなぁ。
番外編 あの雑誌の件について
ところで「セックス特集」をやってる「anan」が、どこの本屋で見ても東京都青少年健全育成条例における区分陳列が守られてないのはどうしてなのですか?
— кoizumi δyuusukeさん (@syuu_chan) 8月 14, 2012
ここにWebで読める部分があるのですが、画像としてモロな部分があるようには見えないので
http://magazineworld.jp/anan/1819/read/
AV女優が「普通のセックス」をしてるDVDが付属していますね 。RT @miz_cygnus: @syuu_chan ああいうのって、中身も結構…エゲツないレベルなもんなんですかねえ?
— кoizumi δyuusukeさん (@syuu_chan) 8月 14, 2012
DVDがメインになりそうですね。とはいえ、都民として通報してもおそらく課長クラスでブロックでしょう。
先月までの流れから、東京都は事務局のみが指定する図書を選ぶ権限があって、都民が通報しても審議会で委員が提案してもムダっぽいことが判明したので。
もっと確実なことを言えば現在出てる「anan」は9月の審議会で審議されることになるので、出版社自身が自主規制でもしない限り普通に店頭に並びますわな。
もちろんそれでは遅すぎるので、緊急時のために即指定できる仕組みもあると聞いたことがあります。4月の資料14 小委員会構成員一覧というのがそれで、これを利用した緊急指定と呼ばれる制度でより機動力のある対応ができるらしいです。しかし、私が見てきた中では発動したところを見たことがないので、まずは一度どんな動きをするか目の当たりにしたいです。それにこの仕組みをもってしても発売日の直後1日は必要になるので店頭に並ぶのを完全阻止することはできません。
まぁこれは出版における最低限の権利とも言えるもので、出版は発売を伴う公開の前にそれに対して行政が手を出すようなことがあってはならない(やれば事実上検閲になる)ことくらいわかっていると思うんですが……
(よく職員が指定対象になりそうな本を税金で購入して回っているのを「税金の無駄」とか言われますが、こういう形でないと手を出してはいけないわけですよ。それも含めて無駄だから廃止しろというのもアリな論点ですが、個人的にはこの制度なくなると自分の立場がなくなるのでw)
ゆえに、条例改正における「萎縮」は行政が出版に与えられる数少ない効果の一つにもなっているとも言えます。
条例を改正する意味を求められる立場からすれば、どうしてもこの「萎縮」に頼るしかないわけですが……ご存じの通りコントロールが非常に難しく、実際コントロールができていないのが現状ですよねー。
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