2010年5月1日土曜日

「東京都青少年の健全な育成に関する条例改正案 質問回答集」を読む

 エロ漫画読んだら有害かどうかとか小説はおkとかそういう水掛け論にしかならないところは放置して自分の土俵で語れそうなところ語ろうか。
教えて、専門用語
4 「性交」「性交類似行為」とは何ですか?
「性交」とは、セックスのことです。
「性交類似行為」は、「フェラチオ」「手淫」「アナルセックス」などの性交に極めて近い性的行為を指す法令用語(法律や条令で使用される一定の言葉)です。
 単なる裸(乳房、お尻などが直接見えている状態)やキスシーンはもちろん、性交を示唆するにとどまる描写(裸の二人が折り重なっているなど)は該当しません。
 いろんなところから参照されているものの「法令用語」なんてガッチリ言い聞かせるわりには、「など」の中身が全然わかりません。
 無数にあるわけないので全部教えてくださいね。ひとつ残らず全部ね。コピペネタになるから。
地方で包括指定ができるのは……
9 東京都だけが新たに「青少年の性行為が描かれた漫画やアニメ」を規制するのはおかしいのではないですか?
 東京都以外の大部分の道府県は、個別指定制度のほか、包括指定制度(「全裸・半裸での卑わいな姿態」または「性交もしくは性交類似行為」の描写の分量により幅広く規制する制度(ページ数や一冊に占める割合を基準として子供への販売制限を決める制度)を併用しています。
 この包括指定制度は、大部分の道府県で「全裸・半裸での卑わいな姿態」または「性交もしくは性交類似行為」の描写の分量によって指定を行うものです。そして、「性交又は性交類似行為」については、性的刺激の程度とは関係ないことが多く、描かれている性行為の主体が青少年か否かを問いません。このため、他の道府県では、現在でも、青少年の性行為が一定の分量以上描かれた漫画などは指定の対象となり得ます。
 一方、東京都は、個別指定制度のみを採用することで、特に慎重な手続きをとってきました。個別指定制度とは、販売されている本の中から、個別に本の内容を確認し、その性的刺激の程度を踏まえて、青少年健全育成審議会という第三者機関に諮った上で、いわゆる「18禁図書」として指定し、指定後は、子供への販売などを制限する制度です。 今回、東京都では、これまでの「性的刺激の程度」という基準では対象とならなかったもののうち、子供を悪質な性行為の対象とする図書類について、「18禁図書」に追加できるように明確に条例で規定しようとするものです。
 したがって、東京都のみが、「これまで他の道府県では規制されていなかった」「青少年の性行為が描かれた漫画などを規制する」ものではないのです。
11 出版社が集中する東京都が規制を強化すれば、全国に影響が波及するのではないですか?
 東京都の条例が効力を持つのは、都内のみです。
 つまり、都が不健全図書指定しても、それにより子供への販売が制限されるのは都内のみであり、同じ図書であっても、都以外の道府県では子供への販売が可能です。
 また、そのような図書を描くこと、出版すること、18歳以上の方に対して販売することは、条例においては、元々一切規制されていません。
 さらに、問9のとおり、そもそも、今回条例改正により都が指定対象とする図書類について、他の道府県では既に子供への販売制限の対象となり得るものです。
 このため、東京都の規制により、全国に影響が波及するということはありません。
 ではなぜ効力の大きい東京都で包括指定が採用できないのかというと単に慎重だったのではなく、やはり出版社が集中してるからと私は考えています。
 なぜなら個別指定が出版社の出したものを審査する方式であるのに対して包括指定というのは出版の仕方を問う条件(エロは○ページ以下など)のようなものなので、ある程度出版社に責任が発生せざるを得ません。出荷した先でのルールであればともかく出版元の所在地でのルールは守らざるを得なくなります。何より出版物を出版元の段階で審査することが可能なので「検閲」のそしりを免れません。
 地方に包括指定が多くてしかもそれらの地域ではほぼ問題なく受け入れられてしまっているのは、悲しいかな地元に出版社が少なく、それらの発信地である東京都で自由に本が出せているという事情もあるからだと思われます。
 ということで、現時点で東京都としては包括指定は取る事ができません。推論の通りならここで述べている「東京都の規制により、全国に影響が波及するということはありません」が嘘になるからです。(その代わり全国に波及してもいいのなら包括指定を取る可能性もありますが)
 ……まぁ『実際に条例が適用されるのが東京内に限定されるとしても、それが本当に東京だけの問題で済むのかどうかは出版社次第だ』なんてわかりきっていること。ほぼ間違いなく東京仕様の本を全国に出荷することになるはずです。
擬音・体液マスターには存在意義があったんだ……
12 現在の「著しく性的感情を刺激する」という指定基準を当てはめればよいのではないですか?
 「著しく性的感情を刺激する」かどうかは、単に全裸や性交シーンがある程度では該当せず、その判断は、性交シーンにおける性器の描写の明確さ、擬音(性交に伴って生じる音)や体液の描写の多さなどによることとされます。
 上記のような、現在の指定基準の解釈は、昭和39年以来の条例の運用の中で、出版業界との間で共通了解の形成に努めてきたものであり、子供との悪質な性交場面の描写がある」だけでは該当しません。
 一方、今回の条例改正においては、「著しく性的感情を刺激する」か否かではなく、「子供への強姦等著しく悪質な性行為について、あたかも楽しいこと、許されることのように描く漫画などは、これを読んだ子供の性的判断能力を歪めるおそれがある」として、新たに指定基準を追加しています。これは、「青少年の性的描写についてはその描写の程度に関わらず『著しく性的感情を刺激する』と解釈する」として、これまでの業界との共通了解を勝手に都が変更し、解釈を拡大することは、それこそが「行政の恣意的な運用」「規定の濫用」になると考えるからです。
 表現の自由の重要性を踏まえ、新たに「子供への強姦等著しく悪質な性行為の対象として子供を描く漫画など」を子供に売らない規制の対象にするには、その指定基準を条例に追加し明示することが行政としての責任であると考えています。
 体液・擬音マスターの存在は一応理由があったんだなぁ。というのがわかった一文。
 しかし障壁が「これまでの業界との共通了解」だとしたら、まず東京都と業界が両者ですり合わせるのが先じゃないの?そのための審査でしょ?それとも交渉して決裂したんだろうか。それなら強行策もあるかもしれない。
ウォッチャーだから言える
14 「不健全図書」の指定はどのようにして行われるのですか?都の職員が勝手に決めることはないのですか?
「不健全図書」としての指定は、条例と、条例の施行規則に明記されている基準に基づき、東京都が行います。
 しかし、指定すべきかどうかは、出版や映画・新聞等の関係業界の代表者、都議会議員、保護者の代表などの第三者で構成される「東京都青少年健全育成審議会」に判断をお願いし、そこで「指定すべき」との判断が下されたもののみが「指定」される仕組みになっています。 東京都の職員が勝手に判断して指定を行うことはできません。この仕組みは、昭和39年に条例が作られた時から変わっておらず、今回の改正後も同じ仕組みにより、「指定」が行われます。
 こちらの毎月の議事録を読んでいる方ならすぐにわかると思いますがほぼ嘘です。
 言っていることは間違っていませんが「東京都青少年健全育成審議会」は提出された図書はほぼ100%「指定」される場所です。
 つまりどうあっても指定したければ東京都が自主規制団体の意見を無視して(議事録で言えば都の青少年課の職員による『再検討の結果』)審議会に提出すればいいだけです。

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