第587回(平成21年4月13日)の東京都青少年健全育成審議会 不健全図書・自主規制団体からの聴き取り結果
HARVEST NOVELS 超昂閃忍ハルカ 外伝 大蛇丸血風録
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超昂閃忍ハルカ―外伝大蛇丸血風録 (ハーヴェストノヴェルズ)
・修正されているものの、青少年には見せたくない描写があり、指定やむなし。
・しっかり修正されているので、非指定であると思われる。
・消しがやや甘いが挿絵であり、シーンを連続して見せているわけではないので、総じて指定するほどではない。
・マニア向けで文章も多く盛り込まれており、全体的に猥褻感はあまりない。絵の部分に関しては確かに甘いところもあるため保留
・女性器や性行為を露骨に描写しており、また文章とあいまってより刺激的である。指定やむなし。
・カット数は少ないが、性器が見えているように感じる部分もある。保留
・カットの描写は問題あるものの活字が多いので、どうか判断が難しい。保留
・ほとんどが活字でイラストにも修正が入っている。それほどでもなく、許容範囲内だと思う。指定非該当
・性器描写はほとんど図案と言ってもいいレベル。現実感乏しく卑猥感はあまりない。指定非該当
※【参考記事】
「超昴閃忍ハルカ外伝 大蛇丸血風録」 著:なす イラスト:かずみ義幸
指定は挿絵部分が対象になっています。参考記事もオリジナルがこうなのか画像が加工されているのかわからないのですが、ハルカはビジュアルファンブックが指定された経緯もあるのでこの後外伝を続ける気であれば今後が心配。
ただやはり分量の少なさが影響したのか基本的に保留・非該当が多め。非該当とはいえなんかひどいこと言ってる人も健在w
花と蛇 第四集
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花と蛇 第四集
・修正が甘く全編にわたり性描写があり、指定やむなし。
・著者は文学的には十分な評価を得ており、この程度の描写は止むを得ないと思うが、一応、成人マークをつけてほしいと思う。指定やむなし。
・少しいきすぎのイラストもあるが、全体からして少ない。指定非該当
・女性器は消しはあるが猥褻。性交場面が具体的。縛り方がグロテスク。値段も高いし、好き者向けの本だろうが、それなら指定図書にすべき。
・ここに漂う卑猥感は可能な限り弱められているが、消しは甘いと言わざるを得ない。保留
・団鬼六作品を青少年が手に取るか疑問である。保留
・団鬼六の名作だが、子どもたちが入手できるとすればまずいのかもしれない。保留
・男根の描写、挿入シーンがリアルであるが、全体的に見ると許容範囲。高定価で青少年向けではない。マニア向け・セーラー服もので絵は猥褻ではないが、擬音が目立ち、性交場面も多い。指定やむなし。
・SM物。しっかり修正されていて、マニア性が高く、青少年は手にとりにくいと思われる。値段も高いため非該当
・修正がかえってエロチック。団鬼六の作品を漫画にすればこうなる。高価でもある。今回は第四集が候補となっているが、第一集から第三集はどうなっているのか?指定非該当
・劇画コミックで大人を対象とした装丁で、高定価であり、とても青少年を対象としていると思えないため非該当
・本の代金が高額で、青少年が買うとは考えにくい。内容も大人向けに作ってある。団鬼六という作家のコミック化として考えれば許容範囲。指定非該当
・完全にSMマニアの大人向けコミック。当たり前だが原作を反映してストーリー性もちゃんとある。また、価格、装丁からして青少年が手に取るとも思えない。さらに、SMそのものが無条件に猥褻だという判断をすれば別だが、通常の感覚では描写そのものはあまり大したことないのでは。指定非該当
やっぱり団鬼六先生は知名度高いようで、その辺を解釈した上での返答が目立ちます。
それでも思ったより非該当寄り。確かにこれは第四集、一から三はどうなったのやら。該当部分としては「全編大部分」となっていてじゃあ第一集から第三集はの「全編大部分」は大丈夫だったのか?という点は問いたい。
そして恒例の擬音マスター降臨w
ツンな彼女がデレるまで
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ツンな彼女がデレるまで (マンサンコミックス)
・修正されているものの性描写が多く、指定やむなし。
・セーラー服もので絵は猥褻ではないが、擬音が目立ち、性交場面も多い。指定やむなし。
・絵柄に卑猥性がなく、コミカルに描かれているので非該当
・後半からの体液や擬音が気になるが、絵もコミカルでいやらしくない。なぜこのような本を諮問候補に提出するのか?指定非該当
・表紙は青少年の手に取りやすくなっているが、絵柄はコミカルで卑猥感もなく修正されているので指定非該当
・内容的にはコミカルで、猥褻感は見られず制服物が気になるが許容範囲と考える。指定非該当
・エッチな青春コメディの構成をしており、とりたてて卑猥な感じは与えない。指定すべきではない。
・かなり省略された絵柄で卑猥感もそれほどない。これが指定対象となると出版社としては相当厳しい。指定非該当
・擬音等気になる部分はあるが、絵自体はデフォルメされ、かつコミカルに見えるので許容内。指定非該当
・パロディ風なラブコミックで、性交箇所も少なく問題なし。指定非該当
・後半の部分でかなりハードな描写が見られるが、全体的に卑猥感もなく、仮に成人マークを付けたとしても、大人の読者はほとんど購入しないのではないか。指定非該当
・絵を見ても刺激的とは言えず、許容範囲。指定非該当と思われる。
※【参考記事】
瞬殺コミック再入荷「ツンな彼女がデレるまで」全年齢向けエロマンガ
※【参考記事】
有害図書指定に適当と判断「ツンな彼女がデレるまで」アキバはまだ売れてる
※【参考記事】
有害図書指定 高校生の中出しセックル 「ツンな彼女がデレるまで」
今回のラストにして、大注目のこの1冊。開いてみればご意見を読み始めてから稀に見るフルボッコ状態に。表紙でこの制服セーラーじゃねーし。
3人も降臨した擬音マスターのうち2人が非該当。しかも逆ギレもちらほら見受けられます。
こればっかりはちーとばかし気になったんで……
購入してみました。Amazonで。途中で取り消されるかと思ったよ。
読んでみるといろいろわかることというか思い出したことというか……成人向けのエロと一般向けのエロってじゃあ乗り換えればいいかというとそういうわけにもいかない事情というのがありそうで。
どちらにしても雑誌から単行本になるわけですが、成人向けは基本的に1本読み切りか連載があっても1本乗せる分には必ず本番入れるノルマ的な慣習があるのに対して一般エロではエロいことはしても本番までする必要はない(雑誌的には誰かの連載の掲載分でやってほしいという面はあると思うけど)から素で出会った男女が連載を重ねて本番に至る道筋がずっとゆるやかに進行できるわけですよ(本筋カップルの脇で毎回チームのサブヒロインに本番させる『【Amazon】
Throwing Heart 1』みたいなケースもあるし。中には藍青みたいな本番まで長すぎるケースもあるけどさ)「ツンな彼女がデレるまで」はまさにそのツンな彼女と出会った主人公が無理やりエロいことを(段階的に)されながらデレていく過程を描いた成人向けでは単行本1巻分ですら連載が続けられるかどうかわからないお話だったわけで。
で、これが真価を発揮するのが一連の物語を一つにまとめられる単行本。
はじめから成人向けの雑誌でそういう段階を踏んだ連載というのはかなり難しい領域なんじゃないかなと思う半面、需要はきっとありそうだ。実際最近は成人向けで書いてた人がそれに近い形で一般向けエロを描いてたりするケースが増えたから(紺野あずれとかカイシンシとか)。昔は笹倉綾人とか画力で迎え入れられたのかなと思ってたんだけど。どうやらそういう事情もありそうだと思う今日この頃。
でも個人的な見解としては、これを指定非該当にする肝は持ってないわ……だって口絵からおかしいもん。修正ないしなんか盛り上がってるとこ3つあるしw
あと巨乳の春香がいるなら姫乃はもっとミニサイズがよかった。まぁむっちりが持ち味な作者っぽいけど。
さて、こんな状況なんですが先週の審議会では全部不健全指定となったわけです。議事録楽しみですねぇ。
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