条例第18条の2第2項に規定する自主規制団体からの聴き取り結果(平成21年9月9日実施)
今回は、指定された3冊の中から以下の2冊をAmazon.co.jpから取り寄せておきました。
MD COMICS
玉神(たまがみ)
平成21年8月20日発行
・高校生のセックスシーンあり。デフォルメしているが、所々にリアルな描写がある。成人マークをつけるべき。指定やむなし。
・性描写は特に問題とするほどではない。ただし、設定がセーラー服(=未成年)なのは問題である。指定やむなし。
・コミカルではあるが、性交場面があまりに多い。擬音等も多用されており、指定やむなし。
・全編にわたり性器等の描写があり、修整も甘く感じる。指定やむなし。
・消しはされているものの、性描写が必要以上多用されており、成人マークをつけてほしい。指定やむなし。
・コミカルなタッチだが、全編にわたり性描写がある。ぼかしなど修整はされているが、擬音等多数あり、指定やむなし。
・モデルが高校生であり問題。擬音、体液の描写が多く輪姦などもあり、指定やむなし。
・性器、体液、擬音などがいやになるほど羅列されており、指定やむなし。
・修整されているものの、全編にわたり性描写があり、指定やむなし。
・性交シーンが多く、指定やむなし。
・前半はコミカルだが、内容が過激なところもある。総じて保留
・性描写が多くて気になるが、ストーリー及び漫画の部分がコミカルで猥褻さが消されている。総じて保留
・消しは入っているが、かえっていやらしさを想像させる。総じて保留
・白抜きが大きく入っているので問題ない。指定非該当
・それなりにストーリー性、ユーモア性があり、刺激を薄めている。指定非該当
・卑猥具合は許容範囲。指定非該当
赤:10 緑:3 青:3
保留組を含めて猥褻性は否定できない内容に。
それもそのはずで、もともとこれに収録されている作品のほとんどは成人向けとして【Amazon】
さらばおちんちん (TSUKASA COMICS)に収録されていたものがほとんど。一応その辺も意識して修正を加えたようですが、元々が成人向けなので内容そのものはどうしようもないほどエロ漫画です。
成人マークを付ければ確かに問題なかったはずなんですが、どうして一般にしてしまったのか……
たぶん成人向けの相場である1000円前後に対して600円という価格が肝なのかも。
成人向けに引き上げて改めて評価するとよくある学園物が軸の短編集なんですが、中編「さらばおちんちん」はTSモノの微妙な部分が描かれていて個人的にツボ。
そして興味があった『体液・擬音描写』なんですが、エロ漫画の領分においては並と言ったところです。まぁ一般作品で体液や擬音を出すこと自体めったにないわけですが。
Pinky Teens
絶対純愛 XTC 危ない夏恋体験
平成21年9月7日発行
・全編にセックス描写がある。男性器を黒く消しているが、かえっていやらしい。擬音、体液も多く、成人マークをつけるべき。指定やむなし。
・「Teens Love」「絶対純愛」とあるが、中身は露骨。カバーは青少年に買わせるような表現になっており、配慮が足りない。指定やむなし。
・性行為を露骨に表現しており、男性器を黒塗りしているのもリアルである。また、高校生を扱った部分もあり、指定やむなし。
・ロリータ系で、消しが甘く、全編性交シーンの連続。指定やむなし。
・絵はかわいくおとなしそうに描かれているが、性交シーンではかなり過激な部分もある。青少年には刺激的すぎるため、成人マークをつけるべきである。指定やむなし。
・多少ストーリー性はあるが、全編にわたり性描写がある。指定やむなし。
・全編セックス場面。男性器が黒く描かれているのがかえっていやらしい。指定やむなし。
・男性器に黒いぼかしがはいっているが、かえって鮮明。擬音もかなりあり、指定やむなし。
・修整されているものの、全編にわたり性描写があり、指定やむなし。
・全体的に性描写が多いが、内容的にはストーリー性があって自然な感じがする。総じて保留
・過激な部分があるが、ソフトな部分、ストーリー性のある作品も含まれている。総じて保留
・絵柄がリアルではなく、卑猥感なし。修整も入っているため、指定非該当
・セックスシーンはあるが、卑猥感もなく修整されているので、問題はない。指定非該当
・作品集であり、作者によって性表現のレベルは様々だが、全体的に刺激は強くない。消しも注意して処理されており、指定非該当
・ストーリー性があり、問題はない。指定非該当
・内容的には問題は無いと思う。指定非該当
赤:9 緑:2 青:5
今回一番非該当評価が多かったのがこれ。
取り寄せてないので内容は不明ですが、「男性器を黒塗り」にしたのが裏目に出ている模様(他の2冊は白抜きでした)
「Teens Love」「絶対純愛」をどんなものだと思っていたのか謎。
ガールズポップコレクション
バーニングラブ vol.33
平成21年9月25日発行
・表紙は高校生。小さく「大人向け」とあるが、成人マークをつけるべき。指定やむなし。
・表紙に高校生が描かれており、イメージはさわやかだが、内容的に性描写が多く、レイプシーン、擬音もあり、指定やむなし。
・男性器の描き方が輪郭だけならよいと考えているようである。「大人向け」と小さく表示してあるが、指定やむなし
・絵柄はそれほどきつくないが、カバーは青少年が買いやすいものとなっている。成人マークを付けたほうがよい。指定やむなし。
・性交場面が露骨である。男性器は白抜きされているが、挿入場面等はリアルである。指定やむなし。
・乱交、痴漢、レイプと社会秩序を乱す行為のオンパレード。指定やむなし。
・全編を通して非現実的描写が多用され、また、電車内での痴漢シーンも問題である。指定やむなし。
・主人公が少年であるかのような作品があり、全編にわたり性描写がある。指定やむなし。
・ほとんどが性交場面。制服姿の高校生もあり、指定やむなし。
・性交場面が多く、擬音、体液など汚い。性器のぼかしもかえって具体的になっている。指定やむなし。
・修整されているものの、全編にわたり性描写があり、指定やむなし。
・公序良俗に反する内容が多い。指定やむなし。
・「大人向け」と表記されているが、青少年が手に取りやすい表紙となっている。総じて保留
・「大人向け」の表示が入っている。値段が660円では子どもは買わないのではないか。指定非該当
・「大人向け」の表示が入っており、内容、絵柄とも猥褻感がない。指定非該当
・絵がリアルに感じない。指定非該当
赤:12 緑:1 青:3
ほぼ常連で前回は審議会でもツッコまれた「ガールズポップコレクション」
前回「次に指定されたら買ってみる」と言ったので取り寄せてみました。
ちょっと変則的な装丁に13人の作品が収録。わかっている限りでは、やはり「玉神」同様、成人向けからの移植です。
ひんでんブルグがいるのこともあって「玉神」よりずっとハード。評価の差は納得だと思います。
単に成人向けアンソロジーとして出すには安すぎる660円(税込)と言う価格は少年コミックが400円台のご時世「子どもは買わないのではないか」と言いきれるものではないような気が……
あと「大人向け」の表記は表紙右下にありますが、成人向けコミックは基本的に表紙・背表紙の2か所にあるのに対して、「ガールズポップコレクション」の背表紙には相当する表記がありません。平積みをあまり想定していない小規模な店舗で売られるであろうことを考えるとやはり不適切な気がしますね。
あと、これは言いにくいんだけど……「玉神」より決定的に全然面白くなかった。
松文館ってずいぶんアグレッシブなことするなぁと思ってたけど、結局それは挑戦と言うかもうせざるをえない状況なんじゃないかと思った今回でした。
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